「なぁ。オレらとゲームしない間に、めっちゃステータス上がってね??」
いつかの夜、いつもの3人で◯ハン中のこと。上鳴は言った。
「舞衣のおかげでめっちゃ上がった。」
「(今アイツ、名前で呼んだな。)」
「舞衣ちゃんそんなにゲームスゴいの??」
「おう。◯ーストリコンも全クリしたぞ。」
「マジ??良いなぁ。今度一緒にやろうって言ってよー。」
「分かったよ。聞いてみる。」
さっそく手元にあるスマホでメッセージを送る。
「さっき舞衣ちゃんのこと、名前で呼んでたけど、どこまで進んだ??」
「(さすがのアホ面も気づいてたか。)」
「どこまでって。舞衣の家行って、そこで…。」
だんだん小さくなる声に2人とも察する。
「おめでとう鋭ちゃん!!先越されたけどっ。」
「惚気話どーも。」
「あれはついっ…やべっ!?」
珍しく切島キャラが死亡する。
「大丈夫、あと2回いける!!」
「死ぬ前提で進めんなや。」
もう一度、クエストに入るように準備していると、舞衣から返信が。
「鋭ちゃーん。早くぅー。」
「舞衣、今から参加してくれるって。」
「マジ!?」
「でけー声出すな!!クソが。」
「サークルに招待した。」
しばらくして。
「こんばんは。お邪魔します。」
「こんばんは舞衣ちゃん。ゲームスゴいんだって??」
「それほどでもないよ。」
「いやいや、オレよりめちゃくちゃステータス上だから。」
上鳴も、舞衣のキャラのステータスの高さに関心する。
「さて、何する??」
「イベントクエスト!!3人じゃ火力足りねーんだ。」
「良い武器も欲しいし。」
「てめえがどんだけすげーか見せてもらうわ。」
「わかった。張ったから参加よろしく。」
と、クエスト開始。舞衣の見事な立ち回りで難なくクリア。
「やっほーい!!初クリアじゃん!!」
「サンキュー舞衣。いい武器出るかな。」
「弱点特攻の装飾品持ってんのか??1人で半分は体力削ってるぞ。」
「弱点特攻も然り、武器のゲージ貯まるのを早くしたり、会心率あげたり。色々よ。」
「ねぇ舞衣ちゃん、もっかい張って??この際防具も武器も素材も集めたい。」
「オレは、装飾品かな。」
「次は死なねぇからな。」
「爆豪君の武器は一撃必殺だから、立ち回り気を付けないとね。」
「わーっとるわ!!」
なんて談笑しながらクエストを進めるなか。
「そうそう。今度の冬、首都高をコースにしたレースの世界大会あるよ。」
「マジ??F1のモナコGP的な!?」
「そうそう。上鳴君詳しいのね。」
「ミーハーなもんで。」
「舞衣もそれに??」
「うん。世界の賞金ランキング1位の選手が集まるの。私は日本代表で出るよ。」
「すげー。最高じゃん!!」
「その警備の以来がもうすぐで届くって??」
「鋭次郎の言うとおり。そろそろ各事務所に通達されるはず。大規模になるから他県のヒーローにもお願いすることになるわ。」
「なんか、今から緊張するな。」
「大まかなコースは分かってるんか。」
「うん。スタートはあの有名なタワーの下で、ゴールは海にかかる、県境の橋の先。」
「またしばらく、調整か??」
「うん。1回首都高走ってみようと思ってて。良かったら鋭次郎も乗る??」
「良いのか…!?」
「良いよ。」
「良いなー鋭ちゃん!!」
「せいぜい振り落とされないようにすんだな。」
「誰が振り落とすかっつーの。鋭次郎はどんなバイク乗りたい??」
「うーん。あれだ、横付けされてるやつ。」
「サイドカーつきのやつ??」
「たぶんそれ。」
「わかった。手配しとくね。」
皆、いい感じに素材が集まったので解散して、ゲームを終了した。
バイクデート当日。人々の注目を集めながら、切島宅から出発。
「気持ちいいでしょ??」
「ああ。最高だぜ。」
無線で会話する2人。切島は景色よりバイクスーツ姿で運転する舞衣に見惚れる。そしてあの橋を渡る。
「すげー!!圧巻だな!!」
「でしょ!!」
橋を渡り、しばらく海岸沿いを走る。休憩と食事を兼ねてカフェに入る。その帰り。
「走ってみてどうだった??」
「そうね。日本特有の道幅の狭さ。活かせそう。」
「そうか。調整頑張って。応援してる。」
「ありがとう。」
そして、切島を自宅に送り届ける。
「ありがとうな、送ってもらって。」
「どういたしまして。明日、仕事頑張ってね。」
「おう。」
舞衣は、颯爽と走り去っていく。それを見えなくなるまで切島は見つめていた。
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