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窓の外は快晴。昨日に引き続き、空が青一色で塗られている。
今朝は珍しく、僕のほうが先に目覚めた。隣にはまだ夢の中の彼女。
その寝顔に優しくキスをした。
と、ゆっくりまぶたが開く。バレたのが恥ずかしくなって、ベッドから下りる。
「なに?」
彼女が聞いてくるが、「何でもないよ」
「何それ」
ふふっと笑う瞳の可愛さに、眠たさも吹き飛んだ。
「ね、今日はモーニングに行こうよ」
突然の提案に驚く。「え?」
「ほら、近くに新しく喫茶店できたじゃん」
ああ、と理解した。「いいね。行こ」
近所のコーヒーショップで席に着くと、メニューを二人でのぞく。
「…このイチゴトーストにする」
僕が早速指をさすと、
「じゃあわたしもそれにしよう」
仕事に行く前のわずかな時間だが、こんな風にモーニングを食べるのは新鮮で嬉しい。
店内には小粋な洋楽のBGMが掛かっている。でもその音楽よりも、彼女の楽しそうな声を聞いていたい。
「やっぱ小倉トーストもいいなあ」
「もう頼んじゃったよ」
そうだね、と二人で笑い合う。
少しして二つのトーストセットが運ばれてくる。揃って手を合わせて食べ始めた。
サクッと音を立ててかじると、香ばしい小麦の香りが広がる。そしてイチゴジャムの甘さが追ってきた。
「甘いね」
彼女も満足げだ。
「うん。美味しい」
まるで洋画のワンシーンのような朝食を終えると、仕事という現実へ引き戻される。今日は月曜日だ。
「そろそろ行かなきゃ」
家に帰り、慌ててスーツを着る。着替えてから行ってもよかったが、お気に入りの黒スーツを万が一汚したら嫌だ。
「また今度はゆっくりディナーでもしよう」
うん、と彼女は微笑んだ。
どんなに忙しい日でも、彼女さえ居れば幸せ。
帰りを待ってくれる彼女のことを想えば、大変な仕事もこなせる。
ドアを開け、「じゃあ行ってくるね」
閉じる直前の扉の向こうには、ヒロイン級の笑顔があった。
終わり