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昔、あるところに1人の男がおりました。男には生涯をかけて愛すると誓った恋人がいましたが、男は20で死ぬ事が決まっていました。
男は死に際に恋人に向かって約束が欲しいとわがままを言いました。これから先もずっとお前の1番でありたいと。
男にとってはその場限りの口約束で充分でしたが、恋人は男が死んだ後もその約束を守り続けました。以前のように相手に過干渉することがなくなり、1歩引いたところで優しく微笑む姿は本人の意思とは反対にその評判を上げました。でも、恋人はどんなに綺麗な人から言い寄られても、どんなに良い縁談の話が持ち上がっても、好いた男がいるのだと笑って首を横に振りました。そうして恋人は独り身のままその生涯に幕を下ろしました。
最後まで男の事を想いながら。