ハロウィン(曲イメージ)です
注意
人外
軍…パロ?
死ネタ
腐向けではありません
いつからだろうか、時計の針が止まったのは。ふと目を覚まし窓を開けると緩い風と共に光が差し込んで来る。その眩しさに目を細め、眉間に皺を寄せる。部屋の方へ振り返り、棚へ向かう。棚へ向かうと上に置いてある水と服を手に取る。水を飲み、声をだす。
zm)あ”ー、あ”ー…よし、ちゃんと出るな
声が出る事を確認するとコップを置き、服を着替える。タートルネックのインナーの上に迷彩柄の緑色のパーカーを羽織る。今日は自分の予定が無い事を確認すると家を出て街を歩く。街へ出ると祭りをやっていた。だがその祭りは大好きだったあの国とは違う祭りだった。建国記念日でこんなにも気分が上がらない事が今まであっただろうか。大好きだった国はもう無いのだから忘れなければいけないのに、脳内にこびりついて離れない。今だって彼等の色が描かれた御守りを付けてしまっている。
zm)はぁ…
小さくため息をつき、森へ足を運ぶ。森の奧の方まで歩いて行くのが毎日の日課だ。だが今日はいつもより奥深くまで来てしまった。
zm)やべ…
後ろへ振り返ろうとすると枕這う声…聞き取り辛い声が囁く様に聞こえて来る。その声に肩を跳ねさせ、辺りを見渡す。すると目の前に見慣れた姿があった。
zm)まん、ちゃ……?
本来ここに居ては行けない親友の姿だった。二年前国が滅びた時…俺が16の頃、交通事故で亡くなった大事な親友。だがその見た目はあの時とかなり変わっていた。額にダイヤ型の黒い模様があり、半透明の深緑色の大きな天使の様な二対の羽が生えていた。その見た目に自身は大きく目を見開き、驚く。よく呼んでいた名前を呼ぶと目の前の親友は変わらない優しい笑みを浮かべ、こちらに近付き手を差し伸べた。
os)一緒に、遊ばへん?
俺はその声に歓喜を感じ、すぐその手を取る。すると彼は少し驚いた様な素振りを見せた後羽を大きく動かした。動かすと同時に強い風が発生し木々がざわめく。彼は俺の体を軽く持ち上げ、空へと昇って行く。そのまま更に森深くの湖まで飛んで行き、湖に着くと優しく俺を降ろした。湖はそれはそれは美しく、辺りを水色の蝶が舞っていた。
os)どうや?この景色綺麗やろ
そう言いこちらを見て微笑む彼はあの頃の彼と重なって見えて、涙が溢れて来る。すぐ自分も笑みを浮かべ、返答をした。
zm)ほんまに綺麗やな!
袖で目を拭こうとすると彼は焦った様にハンカチを取り出し、俺の目を優しく拭いた。袖や手で擦ると腫れてしまう。と教えてくれたのも彼だったか。何だか彼を見ていると「化け物より人間の方が怖いんじゃないか」と思ってしまう。化け物に変わった彼はあの頃と変わらず優しいのに、それに対して街の人間は最悪な奴ばかりだ。子供を拉致して売り飛ばす。胡散臭い笑みで近付いて来たかと思えば殺して来る…やはり、生きている者の方が怖い。少し考えていると彼は何か思い付いた様に俺の前へ行き、見た目を小鳥に変える。小鳥に変わったのを見てまた驚くが、もはや慣れて来てしまった。そのまま小鳥の彼は俺の肩に乗り、家の方を向く。どうやら家に着いて来る様だ。その意図に気付き、軽く頷くと家へと進み始めた。
家に着くと彼はまるで自分の家かの様に過ごし始めた。飯を食べようとすると机の近くに止まり、飯を啄む。彼との暮らしは何だか安心する様な感覚がした。今までの辛さが嘘の様に感じた。正直自分でも見た目が親友とはいえ、こんな未知の存在を受け入れられているのが驚いている。
ある日、彼は会った時の化け物の様な姿になっていた。
zm)マンちゃんどしたん
os)…zmはどうしたい?
急な問いに困惑しつつも、口を再び開く。
zm)どうしたいって…何がや?
os)俺達とまた暮らしたいか、それが気になったんよ
俺達…それはきっと、かつての仲間達とだろう。
zm)そりゃ暮らしたいに決まってるやろ、出来ることなら…また皆で馬鹿やりたい
そう言うと彼はあの時会ってから1番の笑顔を見せ、こう言った。
os)じゃあ着いて来てや!
そう言い俺の手を引き、家を飛び出す。そのまま森へと向かい、森の奧へ行くと花畑へ行った。その花畑の花の上には小さな小瓶が1つ、置かれていた。
zm)何や、これ
os)これは人間の自分とサヨナラ出来る薬めう〜
人間の自分、それは恐らく人外化の薬という事だろう。彼は人間じゃなくなって皆とまた過ごすか、人間のまま彼と暮らすかの選択を俺に与えているにだろう。
zm)皆と一緒になれるなら俺は飲むで
そう言うと彼は嬉しそうな笑顔で小瓶を拾い、俺に差し出した。その小瓶を俺は迷わず受け取り、蓋を開け中身を飲み干した。
zm)ん、ぐ……飲めた、で?…
飲み干すと同時に強い眠気が襲って来る。うとうとしているとついに倒れそうになるが、彼…osが体を支えてくれた。
os)おやすみ、zm…またよろしくな
em)良かったんですか?人間の頃の記憶を少し残して消してしまって
os)辛い事はzmに覚えてて欲しく無いめう〜!せやからこれでいいんよ
2人の目線の先には、子犬…もといshoとknと遊んでいる人外となったzmが居た。あの後今の家、館にzmを連れ帰り、emに頼んで能力で人間の頃の記憶を薄く残し消してもらった。emの能力は実に便利だ。記憶を読んだら本に記録ができ、消すも消さないも自由だなんて。
os)さてとッ!今日はzmにスイーツを作ってもらう約束めう〜!呼んでくるめう!
em)えッズルいですよ!私も食べたいです…!
os)ん〜…じゃあzmに言っとくわ!
em)ありがとうございます!
見た目が変わっても中身はやはり変わらない。化け物になっても、人間でも…神様でも。
姿が変わっても愛すから_
読んでも読まなくてもいいあとがき_🖋️
チッスチッス、中さんです。いや〜、珍しいハピエン(?)!やはりバドエンの方が書きやs((((殴
さてと、気が付いた方も居ると思いますが、今回のお話は「異世界混合大舞台」をイメージしたストーリーです。所々出て来る表現が同じですね。やっぱ人外化ってええなぁ…。題名と最後の文章、それはwrwrメンバー視点でもzm視点でもあります。zmは見た目が違うosでも愛した。wrwrメンバーは見た目が変わった仲間やzmを愛した。ちなみにあの後に続く文章は「だから君も愛して」と続きます。最初に題名が思い付き曲を漁っていたらこの曲が出て来て即メモアプリに流れを書きました。ほんと便利ですねあれ、よく使います。
長々と話してしまいましたね〜…それでは〜
コメント
7件
zmさんが人外化のお薬を飲んだあたりで一瞬バトエンを期待してしまった自分がいる。
あ……あぁぁ………ハピエンでよかった…… すごい胸糞悪いバトエンもの見せられるかと……(フラグ)