テラーノベル
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るななっち
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佐野side
🩷「ふぅ…」
束の間の休息、ホットミルクを飲みつつ最近の自分について見つめ直す。
慌ただしく撮影がスタートした中で、ただ必死に監督の思う人物像を再現するべく演じる。
柔太朗よりも俺のほうが指導される事が多くて、少し悔しく思うと同時に込み上げる誇らしさがどこかあった。
ふと、無造作に置かれたボストンバッグから見える台本に待機中に読み忘れていた事を思い出す。
そうだ、台本読まなきゃ
疲れた身体に鞭を打って、台本を開く。
なんとなく読んでいたはずが少しずつ釘付けになる。
読みかけていたのは、ほぼ初対面で家へあげた時のベッドシーンだった…
一文字ずつ読み間違えないように穴が開くくらいに目を通す
恒松のアパートへハクをあげる
雨の音は強くなるばかりだった
ひとつの傘に2人で入っていたつもりが、ハクは逃げ出そうと傘の外へ出てしまうので、捕まえるのに必死で帰る頃には充分なくらい濡れていた
頭からつま先までずぶ濡れのハクにポスっとバスタオルを渡す
拭こうともせず、じっと突っ立っているハクの手を引いてソファの前に座らせる
ソファに自分が腰をかけ、バサバサとハクの髪を拭き始めた
血色のない真っ白な細い手首
それに映える金髪は少し水分を含んでツヤが増していた
ふと気づいたのは首筋に落とされた赤い花びら
あぁ、この子には飼い主がいるんだと想像してしまう
これは誘拐になるのか?
いや、この少年はもう自分のことは自分で考えられる年齢だろう…
多分、寒いんだろう
ハクが身じろいでコウにすり寄る度に、濡れた服がしっとりとコウを濡らす
おもむろに立ち上がり、着れるものを探しに寝室へ向かう
その後ろ姿をハクはじっと揺れる瞳で追いかけていた
あいにく連日の雨でTシャツは品薄だった
コウ「パーカー羽織らせるか」
戻ってくるコウにすこし安心した顔をする
キッチンで湯気があがっているのを見て、パーカーだけ渡して離れると また寂しそうな顔をする
その顔は雨に濡れた捨て犬のようで
今にもクーンと鳴き声をあげそうだった
コウ「ラーメン作るから」
俺がキッチンにいるのをじっと見つめている
スンスンと匂いを嗅いで、目を輝かせる
やっぱり犬だ
コウ「ほいっ
インスタントだけど、ソーセージと卵つけといたから」
おもむろに隣に座るもハクは横にずれることもなくラーメンを食べ始める
長い前髪が邪魔をしてスープに浸かりそうになる
その髪を手で上げてやると、どんぶり鉢に顔を突っ込んだまま、目だけがこっちを見つめている
コウ「うまいか?」
言葉はない
でも、その食べている様子だけで彼が今どんな感情なのかが手に取るようにわかる
コウ「いただきますっ!」
思いっきり手を合わせて食べ始める
突然の大きな声にすこしハクがフリーズしているのが可愛いとも思えている
食べ終わったどんぶり鉢を重ねて、横に並んでいた
少し頭を傾けるハク
彼が自分に懐いてくれているのだろうか
気になっていた事を聞きたい
コウ「少し聞いてもいい?」
戸惑いながらもゆっくりと頷く
コウ「名前は?」
ハク「…ハク」
コウ「本当に?」
ハク「…」
なんだか掘り下げてはいけない気がした
そんなことよりも彼の声が聞こえたことが嬉しくて、本名なんてどうでも良かった
そこから質問を続けるとポツリポツリと言葉を交わす
話したい事は黙りこくっている
それだけで充分だった
人間、秘密の一つや二つあるんだから
ハク「あの…」
コウ「どした?」
ハク「お礼…」
コウ「いや、別に…
勝手に俺が連れ帰ってきたみたいな感じだし」
ハク「何もお礼出来ない…」
コウ「いや、だからしなくていいって」
ハク「お金とか無理だし… 汚れてるけど…
きっと気に入ってくれるから…」
何度断っても会話を続けるハク
壊れたロボットのようにお礼と言い続けて、最後に意味のわからないことを言ったかと思うと、突然立ち上がりおもむろにパーカーを脱ぎ捨てた
コウ「あ、シャワー浴びる? 寒かった?」
ハク「…」
じっと俺を見つめている
その目は虚でなにか催眠術をかけられているような
そのまま近づき、俺に口付けた
コウ「え?」
ハク「僕を誘ったの、そういうことでしょ?」
さっきまでの感情のない人形のような彼はいない
虚だが、どこか積極的な彼がいた
コウ「ちょっまっ」
カチャカチャとベルトを触るハク
その手を払おうと抵抗するが、その前にベルトを開けられてしまった
ハク「止まれないから…
ずっと前にスイッチ壊れちゃってるんだ」
コウ「でも、お前恋人いるんじゃねぇの?」
ピクンッと跳ねる身体
その身体が少しずつ震え始める
ハク「恋人…」
カタカタと震えるハクの息が浅くなる
何かトラウマでもあるのか
聞けないそんなこと
俺の腕にしがみついて目をギュッと瞑っている
俺は肩を抱き寄せて背中をさすった
ハクの息が徐々にリズムを取り戻す
コウ「ごめん…」
ハク「大丈夫だから…」
じっと俺を見つめる湿度を保ちすぎた瞳、紅潮した頬、熱い吐息
ハク「大丈夫だから…抱いて?
怖い夢忘れたいから…」
なぜだろう
男とそんなことを致したこともない
彼女は1年以上いないからか、知らないうちに興味があったのか、 俺は彼に誘われるように手を取った
ソファに沈むハクに噛み付くようにキスを落とす
頭にしがみついてハクがそのキスに応えてくれる
服を捲し上げると青と赤の濃い薄い混在するバラが身体中に巡らされている
俺は息を呑んだ
ハク「汚いよね、こんな身体…」
コウ「綺麗だよ…苦しいくらいに…」
俺は身体に少しずつキスを落とす
彼が怯え無いように、思い出さ無いように…
彼は自分の上で甘い息を吐く
初めてのはずなのに彼の全てを知っているようだった
自分の与えるもの全てに溺れる彼が俺は愛おしく思えた
夜が迫る
その中で俺たちは沈んでいった
🩷「ん…はぁ」
テーブルに台本
手には白い水沫が飛び散っている。
何やってんだ俺…
柔太朗が脳内で喘いでいたんだ
ずっと俺の上で俺の腕にしがみついて、顔を歪ませる。
そんな彼の画が頭にこびりついていた。
妄想のくせに…
どっと疲れが増して、風呂を沸かしにその場を後にする。
風呂を沸かしている間に、スマホを開く
さっきまで腕の中にいた人物からの連絡
🤍ーはやちゃんピンチ
今度のYouTube撮影、車で足利まで行ける?ー
🩷ーいいけど、どうした?ー
🤍ー妹の漫画パチったのバレたー
あ、あれか…
脳裏にもう一つよぎった画は現実で過去にあったもので、また自分が起きてくるのを感じる
この調子で撮影終了まで持つのか、自分…
コメント
7件
更新ありがとうございます😭 読みながらすっごくドキドキ?しました💓 このドラマ、普通にみてみたいです笑 次回も首を長くして待っていたいと思います😆
投稿ありがとうございます! ドラマの内容もちゃんと創られてて面白いです!! 勇ちゃんの脳内柔ちゃんがセクシーすぎる笑 引き続き応援してます!