テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
283
早朝。
カフェに行く道を散歩がてら、二人で仲良く歩いていると、ふと、翔太くんが立ち止まった。
「?」
「めめ、じゃんけんだ」
「え?」
「カフェ代」
「え?いいよ、俺出すよ」
「……う。……いや、やっぱじゃんけん」
「なんで」
「だって、こうして出掛けるたんびに、めめに出してもらってる気がするから…」
目的のカフェはもうすぐ目の前なのに、翔太くんが珍しく食い下がってそんなことを言うから、俺もつい、ムキになってしまった。
「なんでよ。奢られてよ」
「俺の方がお兄さんだぞ」
「俺の方が彼氏だし」
「なっ!!」
翔太くんは耳まで一気に真っ赤にして、あたりを見渡した。
誰もいないのに。
誰もいない早朝にわざわざ寝起きの悪い翔太くんを起こしてまで連れてきたのに。
「ふっ……」
「な、なんだよ!?」
「いや……。寝起きの翔太くん、可愛かったなーって」
「おま……っ!!」
思わず翔太くんが振り上げた手を、掴んで引き寄せ、口付けをする。
それは触れるだけの軽いものだったけれど、もうそれだけで顔がふにゃ、となって体を預けてきたから、包むように抱きしめた。
少しの間、体温を分け合って。
翔太くんは自分を取り戻したように慌てて体を引き離す。
その行動がいちいち可愛らしくて、お兄さんだぞといったくせに、こういうのに慣れてなくて堪らない。
「蓮っ!!人前で、、、っ!!」
「だから誰もいないって」
「んぅ、、、」
悔しいのか少し唇を噛む。頬を撫でてやると瞳の中の黒目がふるりと揺れた。
「もう、こういうの、無しにして」
「翔太くん?」
「どきどきしすぎちゃうから…」
「くっ……!!」
潤んだ上目遣いが可愛すぎて、一撃が強烈なのはそっちの方だ、と思う。
小股でとてとてと、先に行く愛しい恋人を追って、二人で早朝のカフェへと入って行った。
コメント
17件
うぅ…💙が可愛すぎて苦しい🤦🏻♀️🤦🏻♀️
小股でてとてと歩くとか想像してみて可愛すぎたので1回 捕獲させてください(え 渡辺くんに甘々な目黒くんとずっと可愛い渡辺くんの相性が良すぎてる😭🖤💙
💙が可愛すぎる🥹🥹💖💖