テラーノベル
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吉田:なんなん、アイツ
上司:ん、?どうしたの
吉田:あ、いえ!何でもないです笑
はぁ、今週も映画館に来なかった。忙しくなっのかな。もう、映画なんて飽きたのかな。あのホラー映画を観た日以来、アイツはばったりと姿を見せなくなった。一定の距離感を保った方が楽だから連絡先とか交換してないのが、裏目に出たな。別に今まで通りになったって思えばいいんだけどさ、なんか、なんていうか……ちょっとだけ、寂しいんだよな
上司:ねぇ、この前のスクープ見た?
吉田:何のですか?
上司:人気若手俳優が映画館にお忍びデートか!?ってやつ
吉田:はぁ、?俺、そういうの疎くて
上司:あーそっか。吉田君映画館好きだから知ってると思ったんだけど笑でも、その続きが可愛くてね、その人お友達と観てるらしいのよ
吉田:…え?
上司:毎回同じ男性と映画館出てくるらしくて。ほんと、今を彩る若手俳優だっていうのに、友情も大事にしてるの、素敵だよねぇ
吉田:……
上司:でもね、そのお友達を見る目が、なんていうの、恋人を見てるみたいな目らしくて。もしや愛人か!?みたいな説がでてるらしいわよ
吉田:その、若手俳優の名前ってなんですか
上司:あら、吉田君が興味持つなんて珍しいわね。名前はねぇ、確か
吉田:さ、の、、、は、や……あ、コイツ
休憩時間に慣れない手つきでネットニュースを調べる。すると、かなり上位にその名前が出てきた。クリックすると、上司が言っていたゴシップ記事が画面いっぱいにデカデカと現れる
『人気若手俳優、佐野勇斗、、平日から映画館デート、お相手はまさかの友人 』
くだらねぇ
それで、来なくなったってことね
そりゃ、友人だけで終わればいのに、変な説まで出ちゃってるし、事務所も行かせたくないか
てか、コイツ、そんなに有名人だったんだ
あ、有名人なら尚更嫌だよな
色んな感情がごちゃごちゃ俺の中を右往左往する。でも、一つ確かなのは、もう、コイツは
俺の前に現れないってこと
吉田:うわ、この映画、あの監督の作品か
数日後、俺は相変わらず映画館に行った。この監督作品見たのいつだっけ、?確か、アイツ、と見た時あったよな、
あんなに楽しかった映画時間も、アイツを思い出す、なんか胸がキュッとなる時間に変わっていた。でも、この気持ちを癒すのも映画だから、一人で今日も映画を観る
吉田:っ、このシーン……あ、
そっか。俺、何独り言言ってんだろ。恥ずかし。隣に、アイツはいないのに。この俳優さんの表情が良いとか、タイミングが最高とか、そんなこともう、覚えておく必要はないのに。もう、アイツに伝えるために、頑張って映画が終わるまで覚えておかなくていいのに……習慣って本当に恐ろしい。そして、いつまでもタラタラ引きずってる俺も情けない
#そのじん
ma
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#ご本人様には関係ありません
透楽※お知らせ必読願います
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#snjn
なゆ
128
はえさん
245
そんなことをぼんやり考えながら映画館を後にして、家に帰る最短ルートの裏路地に入った時だった
男:あなた、佐野さんといつも一緒にいた方ですよね?
吉田:、は?
誰、この人達。男の人2人組。1人は黒い機械…ボイスレコーダーを持ってて、もう1人はカメラを構えている。
男:そうですよね?佐野さんとはどういったご関係なんですか?
吉田:は、いきなり、なんですか
男:そんな、怖がらないで下さいよ笑、んで、どんな関係なんですか?
吉田:ただの、、知り合い、です
男:知り合い、にしては親しげでしたけど?
なんだこの図々しい態度は。本当に知り合い程度なんだけど。それ以上言うこともないし
吉田:いや、まじでお互い名前も知らなかったんで
男:ははっ、、何言ってるんですか?この写真のお2人、そんな関係には見えませんよ
そう言って差し出されたのは、あの記事に載ってた写真だった。ただ、アイツと俺が談笑しながら外に出て行く写真。正直、なんでこの写真をドヤ顔で出しているのかもよく分からん
吉田:これはただ喋ってるだけじゃないですか。俺達は、ほんとただ知り合いなだけで、だから、身も蓋もないデマを流さないで下さい。失礼します
ふんっ。言ってやった。俺の中では言いたいことは全て伝えたから一件落着と思ってた。けど
ガシッ
吉田:ッ、、、!?
男:逃げんなよ
いきなり腕を強く掴まれた衝撃で腕が痺れる。逃げようと思っても痛みをこらえるのに必死で体が動かない
吉田:…離して下さい
男:お前と佐野の関係性を暴くまで、引かない。お前たちは友人を超えて恋人だったんじゃないか?いや、そうだろ?そうに決まってんだろ!?
怖い、、、、怖い怖い怖い怖い怖い怖い……
何を言ってんのか全然分からない。百歩譲って同性の恋を認める多様性は素晴らしいよ?でもさ、俺と、アイツが恋人、?んな訳ねぇだろ。だって、「博士」と「お前」って呼び合う関係性だぞ!?恋人のわけ、
……あ、でも…俺、アイツがいない数週間、寂しかったんだよな。少し、会いたいなって、思ってしまう時もあった。アイツを求めてる自分もいた。この寂しさは、友情としての気持ちなのか、?ただの知り合いとしての気持ちなのか、?それとも……
男:黙ってるってことは、そういうことだな?
吉田:は?違う、俺とアイツは、まじで
男:いつまで口答えすんだよ…おい、もう写真撮れたか?
カメラマン:もちろんっす
吉田:え、?
男:安心しろ。ちゃんとモザイクありで編集して出すから笑、『佐野勇斗、お相手に直接取材!まさかの告白!?』ってね
吉田:…きも、ガセにも程があんだろ
男:……さっきからうるせな
、、痛い、、、腕をさっきより強く握られているせいか、手に力が入らない。振りほどこうとしても、ビクともしない。その間もずっとカメラのシャッター音と、こいつらのニヤニヤした視線だけを感じる。あぁ、最悪だわ、、なんで、こんな目に遭わないといけないんだよ…視界が歪む。俺の意識とは反対に勝手に涙が出そうになる。俺、ただ、アイツと過ごす時間が、楽しかった、だけ、なのに、なんで、、
男:いっ、、!?
男の唸り声と共に急に俺の腕の痛みが無くなった。涙でぼやけた目を擦ると目の前にいた男がよろけているのか見える。 そして、俺の後ろからあの声が、俺が、映画館でずっと聞いてた声が、聞こえた
佐野:触んな
男:はっ、、丁度いい所に笑、佐野さん、この方とはどういったご関係なんですか
佐野:黙れ
男:…はい?
佐野:まず、謝れよ。この子の腕、、あんたのせいで、めっちゃ赤くなってるの、見えないんですか?
いつもより声が低い。そして初めて見る強い眼差し。いつものようにマスクをしているから目しか見えないけど、目だけでも怒りが伝わってくる。なんで、俺のために、そんなに怒ってんの、?
男:それは、失礼しました。なんせ、質問に答えないもんですから
吉田:いや、俺は
佐野:大丈夫。俺が説明するから
俺の顔を覗き込んで少し目が細める。きっと、俺を安心させるために微笑んでるんだろう。そして、庇うように、俺の前に立って男性二人組に淡々と伝え始めた
佐野:この方とは本当にただの知り合いです。と言っても、俺に「映画」について教えてくれる数少ない方です。つまり、俺の博士で大事な人です。なので、これ以上近づいたら、先程の、あなた達のキモい行動の動画拡散します
男:、は?
佐野:これ以上、この子のプライベートに踏み込むな
コイツ、男気あるんだ。映画館での様子しか見たこと無かったから、意外な一面過ぎてちょっとだけ惚れるわ
ん?なんだ、?
吉田:……は、え!?、ちょっと!!
突然の出来事に脳の処理が追いつかず、立ち尽くしている俺を、コイツは勢いよく振り向くと同時にひょいと持ち上げた
視界が揺れる。抵抗する暇もなく俺はコイツに、俗に言う、、お姫様、、抱っこをされていた
男:おい、待て!!
後ろからは怒号が聞こえる
けど、、そんなのどうでもいい。なんせ顔か近い!やっぱ芸能人ってそこから違うんか。てか、走ってるけどマスク苦しくないかな?え、待って俺絶対重いよね?!総じて、恥ずかしいんだけど!!!
そんなことをぐるぐる考えている間に少し離れた場所に停めていたらしい車に乗せられた
♥200こえ次第、4話目いきます
コメント
2件
🩷さんかっけぇ…!! ありがとうございました✨ 最高です💞
**みぅ🤍🥀だよ。** わ、もう第3話…!めっちゃドキドキした…! 吉田の「アイツがいなくて寂しい」から始まって、まさかゴシップ記事に巻き込まれるなんて思わなくて、読んでてハラハラしたよ。 特に裏路地であの記者たちに絡まれるシーン、腕を掴まれて「怖い」ってなるところ、こっちまで息詰まった…。 で、そこに現れた佐野が「触んな」って…!あの低い声、初めて見せる強い眼差し、めっちゃかっこよかった…!しかもお姫様抱っこってどういうこと?!笑 「博士で大事な人」って言われて、吉田がちょっとだけ惚れるの、わかる…わたしも同じ気持ちになった。 続き、めっちゃ気になるよ…! ありさんの作品、いつも感情の機微が繊細で、読んでて心がぎゅってなる。 次の話も楽しみにしてるね🌙🤍