「監督生さんお邪魔しますよォ!!!」
「邪魔すんなら帰れ!!!!!」
玄関があるのにも関わらず窓からオジャマシマスヨォ!!!をかましたこのカラスは厄介事ばっかり持ってくる疫病神である。カラス避けにCDぶら下げたりしているのだがあまり効果がないようだ…
「帰れとか酷いですね。約束の時間に遅れた監督生さんをわざわざ呼びに来てあげたのに…まぁ、早く準備をしてくれれば許してあげます!私、優しいので」
「約束の時間ってなんです?私、そんなのしてませんけど」
「え?」
「え?」
「いやいや、1週間程前に“古代語の授業をする為資料などを準備しておいてください”伝えたはずですよ!」
「はぁ!?伝えられてないですしそもそも私そんなの了承してませんけど!!!何勝手なこと言っているんですか!?」
「いえ、絶対に伝え………あっ」
「今あって言いましたよね?」
「詳 し く 聞 か せ ろ」
えー……このクソカラスから聞き出した話を漸くすると、クルーウェル先生とトレイン先生からの熱い要望で私が教卓に立って古代語の授業をする事になり、寮長を覗いた生徒は希望制で授業に参加できるとの事。自分より歳上の先輩達相手にってだけでも頭が痛くなるのに、このクソカラスが報連相を怠ったせいで今から急いで授業に必要な資料や説明の流れ、くるであろう質問の正当な答などの準備を今からしなくてはならない……ホントこの厄災カラスどうしてくれようか
「取り敢えず、ここまで連絡が遅れた事への追及は後回しにします。兎に角今は最低限準備をしないと……」
「すみません…」
「すみませんで住んだら警察はいらねーんだよいい加減にしろよクソkごほん、失礼。今は学園長に構っている暇はないので、教室の場所と始まる時間を教えて下さい」
「それがですね____」
______はい、どうも先程ぶりですね。どうやらあのクソカラスは打ち合わせなども含めて授業開始から1時間前に集合の予定にしたそうで。つまり、準備する時間は1時間未満。無理ゲーよね。今日の晩御飯はカラスのジビエ料理にしようかなと検討している最中である私ですが、現在キリキリとなる胃を抑えられずに教室のドアの前で蹲っています。助けて下さい。
「はぁーーーーーーーーー…………よし」
もうどうにでもなれ精神で数秒程溜息を吐いた私は、意を決してガラッと勢いよくドアを開ける。チラッと席を見ると教師や寮長副寮長、見知った顔が勢揃いしていた。何名か厳しい顔をしているのは私が授業開始予定から5分遅れたからだろう
「えーまずは遅れてすみません。文句なら本当は相談もせずに勝手に決めた内容を1週間前に連絡するはずだったのにあろうことか授業開始時から1時間前に連絡してきやがった学園長に行ってください。急ごしらえなので所々詰まったりしてしまうと思いますが何卒ご容赦下さいそれでは始めます」
「ちょっと、それは秘密にしておいて下さいと言ったじゃないですか!!!!」
「学園長、後でお話があります」
文句を言われる前に遅れてきたことへの謝罪と何故遅れてきたのかの理由を説明すると私へ向けられた厳しい目が哀れみの目へと変わり、カラスはトレイン先生のお説教コースが決定した。
「最初に、私はその道の専門では無いこと、教鞭を握る事は初めてだと言うことを言っておきます。そして、この授業では疑問に思った点等があれば挙手をしてから発言すること。それでは、授業を始めます」
「えーと…まずひらがな・カタカナから始めますね。ひらがなとカタカナはそれぞれ全部で五十音あります。英語…この世界の文字で訳した表を配ります」
「こちらに貸してみろ」
手に持っていたプリントがフワリと中に浮き、各生徒の所へ配布される。こうしてみるとやっぱり魔法って便利だなと改めて実感するな…って違う!慌ててクルーウェル先生にお礼を言う。するとウインクが返ってきた。私達の担任がこんなにもかっこいい。
「監督生、少しいいかい?」
「あ、リドル先輩。どうぞ」
「ひらがなとカタカナはどうして分ける必要があるんだい?同じ発音なら一緒にしてしまえばいいと思うのだが…」
「それはですね、なんて言えばいいかな…この世界は方言とかの違いはあれど、言語は全て統一されてますよね?」
「ああ、そうだね」
「私の世界では言語が統一されていないんですよ。確か言語は6900くらいあったかな」
「6900!?そんなに沢山あって言葉通じるのか!?」
「いや、小さい国とか合わせてって意味だし…世界共通語っていうのがあるから大丈夫だよ」
デュースが驚いた様に声を上げる。周りもそんなにあるのか、多すぎだろと驚いている。まぁ今はその事はあんまり関係ないので深掘りせずに次へ行く
「あーっと、何故分ける必要があるのか、ですよね。実は、この2つが生まれた当初から使われる場面が違ったみたいなんです。ひらがなは物語等を芸術的に書くのに用いられ、カタカナは注釈等の実用的な場面に用いられたそうです」
「ふむ…それぞれ別の使い方をするのか…。わかったよ。ありがとう、監督生」
「いえ、伝わったようで良かったです…えっと、ひらがなやカタカナはあまり問題はなさそうですね。では次に漢字に行きますね」
「漢字は、そのものの持つ意味を分かりやすくする為にあります」
「この前言っていたものだな」
「お2人は前に説明しましたもんね。そこで目ぇ回してる三馬鹿の為にわかりやすく説明すると、“はしをわたらないで”と書いてある看板があるとします。これだと橋全体を渡ってはいけないのか、端を使わずに中央を渡ればいいのかわかりません」
「そこで漢字の出番です!橋、端という漢字があります。こっちの橋はそのまま、川などに架かっている橋の事です。端はノートの端、すみと言う事です」
「橋をわたらないで、なら橋を渡っては行けないと分かりますし、端をわたらないで、なら端を使わずに中央を渡ってしまえば問題ないと分かります」
黒板に絵を描きながら説明すると、三馬鹿トリオも納得したように頷いた。時計を見ると終了時間よりも10分前になっている。後もう少し、後もう少し……
「おい、なんで漢字というのはその形なった。もっと簡単な字体に出来ただろ」
「レオナ先輩、挙手を……ってまぁいいか。えっとですね、それは…んと、なんて言えばいいかな」
どうせそういう質問来ると思ったよ。ここは腐っても優秀な生徒がいる学園だからね。だから質問の答えをスムーズに言えるように準備したかったのにカラスのせいでそれが叶わないっていうね。あ、また胃がキリキリしだした…久しぶり胃痛。出てこなくていいよ
「えーーっと、口じゃ説明しにくいので絵を使って説明しますね。まず、漢字の成り立ちは象形文字、指示文字、会意文字、形声文字と4つあります」
「は?」
「いやキレられても…あんまりよく覚えていませんが、こういう感じです」
とりあえずここまで()
前回と同じ説明使ってるし内容あんま変わってません( ˇωˇ )馬鹿がバレそう
次回あるかな……
説明パートムズスンギ()
馬鹿が説明しても結局意味わからん( ᐛ )読み飛ばして読んでください………
コメント
4件
待ってました ~ !! 👏 説明めちゃくちゃ解りやすいです !! こういうのをちゃんと言語化できるのすごいィ … 。 続きも楽しみにしてます !! (^×^)
うわー!!!!更新キタァ!!!!! ありがとうございます!!!!! これからも頑張ってください!!!!!
うっしゃ!続き待ってたんすよやっぱり主様神!