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「」…Qnly 『』…Oraf-Kun []…騎士団団員
おらおん、Orヤンデレ、魔法、通報禁止
冬のある日、僕は数十人の騎士を引き連れて雪山調査の依頼で来ていた。その日はやけに霧が濃く、珍しく雪も降っていた。だからだろうか…嫌な予感がした。
「皆、油断はしないように」
僕が率いている騎士団は “メテオール騎士団” という王国直属の騎士団なだけあって、実力は王国トップクラスだ。けれど、この雪山に生息する魔物はそこら辺の魔物とはレベルが違いすぎるため、決して油断はできない。
「そろそろ魔物が生息する区域に入る、警戒を怠るな」[だ、団長…!]「どうした」 [ぜ、前方に…スノーラビットの大群です!!]
一瞬自分の耳を疑った。スノーラビットは本来雪原に生息する魔物。なのに、こんな雪山の山頂付近にこの量……まるで他の上級魔物から逃げてきたみたい。
「近くに上級魔物がいる可能性がある、早急に終わらせるように」
霧が更に濃くなってきた。速く倒して依頼を完了させないと王都に戻れなくなるかもしれない。幸いスノーラビットは早急に討伐することができた。僕達は更に雪山の奥に進み、途中で遭遇した魔物をメモしながら順調に調査を進めていった。
しかし、順調な時こそ不運は訪れやすいものだ。雪山の3/4辺りを登っていた時、僕は上空に謎の青白い光があることに気がついた。その瞬間、騎士団の警戒が薄れていた隙をつくかのように、僕以外の騎士は皆魔法で眠らされた。完全に油断していた。嫌な予感が当たってしまったのだ。
目の前には眠らされた騎士達が地面に倒れ、青白い光に包まれ青いマントに巻かれた誰かが、濃い霧の中で輝いている。霧が濃く青白い光がその背中を照らしているせいで、マントの影が顔を隠してはっきりと見えない。でも僕はその人を知っていた。
「…おらふくん……」『やっと会えた、おんりー』
幼馴染みであり僕とは違って魔法が使えたおらふくんは、皇子の側近として仕えていた。しかしその数年後、第一皇子が暗殺された。僕は犯人を知っていたのに、誰にも信じてもらえなかった。犯人は第二皇子だったから。数日後、側近だったおらふくんが犯人だと疑われ国外追放という処分が下された。なのに何故、今になって僕の前に現れたのかが全く分からない。僕も加害者の内の1人だというのに…
「どうしておらふくんがここにいるの?それに、どうして騎士を眠らせているの?」
何を考えているのか分からないというより、知りたくないのかもしれない。どうしておらふくんがここにいるのか、何故僕のことを呼ぶのか。そんなことを考えているとおらふくんは笑顔でこう言った。
『もしかして混乱してるん…?やっぱりおんりーは可愛えな♡』
余計分からなくなった。何故僕に可愛いと言うの…?君はそんなことを言う人だっただろうか。まるで恋人を見るような目で僕を見つめるアクアマリンの瞳は、僕をじっと見つめて離さないという意さえ感じる。
「…おらふ…くん……?」『そんな目で見ないでよ…我慢できなくなる』「えっ…?」
自分がどんな顔をしているのかは大体分かっている。頭が混乱して立つことすらできず、ただ涙を流している。体は寒さのせいか震えていて、座り込んだまま地面に手をついている。正直会いたくなかった。おらふくんを助けられなかった自分が情けなくて、また傷つけてしまうのが怖くて。僕は嫌われるのが嫌なのかもしれない。
「おらふくんは……僕が嫌いじゃないの…?」『そんなこと思う訳ないやん。真逆だよ、俺がおんりーに抱いている感情は』「じゃあどうして手紙すらくれなかったの?」 『俺がおんりーと連絡取り合ってるなんて知られたら悪い噂が広がると思ったんよ。でももう1人は嫌だ……だから、俺のところに来てくれる…?』
こんなことを言われるなんて思ってなかった。おらふくんはいつだってそうだ。無能だとバカにされた僕を庇って慰めてくれる。いつだって僕の味方でいてくれた。だから、僕ができることなら君が望んだことを叶えてあげたいと思っていた。
「良いよ、おらふくんが望むなら」
いつからだろう。それがたとえ身分や立場を捨てることになっても、君と一緒にいられるなら良いと思えるようになったのは。そうか……僕はおらふくんの事が…
ドサッ 「スースー」
『やっと…やっと一緒にいられる……愛してるよ、俺だけのおんりー♡』