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おらおん、Orヤンデレ、魔法、通報禁止
「」…Qnly 『』…Oraf-Kun []…執事,侍女
瞼の向こうから優しい光が差し込んでくる。ここはどこなのだろうか。僕は昨日雪山の調査をしに来ていたはずなのに、雪山だとは思えない程暖かくて落ち着く。
『…りー……おんりー、朝だよ』「ん…おらふくん…?」『うん、おはよう』「えっおらふくん!?」『そんな驚かんくても良えやんw』
驚きのあまりベッドから飛び上がってしまった。何故なら僕は今おらふくんに膝枕をしてもらっている状態で、しかも顔がかなり近かった。朝起きて人の顔がこんなに近くて驚かないという人はそうそう居ないだろう。それにしてもここは何処だろう。それにどうやって僕はここまで来たのだろうか。
『ここが何処なのか知りたそうやね、ここは雪山の山頂にある僕のお城だよ』「おらふくんのお城…?」『うん、国王様は本当に何考えてるのか分からんよ』「どういう事?」『あ~おんりーは何も知らないんだっけ、国王様の計画について』「うん…」『国王様は俺を引退させる為に第一皇子を第二皇子が暗殺した濡れ衣を着せる事で俺は表向きは国外追放、裏では雪山で隠居生活を送らせるという計画だったらしい。でもおんりーにバレたから俺のところに来るように仕向けられたんだよ』「そんな…」
第一皇子は純血ではなく、現王妃が国王と出会う前に他貴族との間に誕生したのだ。その後現王妃は政略結婚を余儀なくされ、国王に身を授けて第二皇子が誕生した。第二皇子は純血ではない兄が次期国王となる事が気に食わなくて第一皇子を手にかけ、それを好機と考えた国王は、王国随一の実力を誇る魔導師であるおらふくんに濡れ衣を着せて国外追放した。
「どうして真実を知っているのに平然していられたの…?」『う~ん……簡単に言うと、俺にとっても都合が良かったんよ』「どうして…?立場を失ったんだよ!?」『おんりーが俺の立場なら同じ事してたと思うよ』「それってどういう事…?」『俺はおんりーと2人で過ごせるようにするには、俺を縛り付けてる身分とかを捨てる必要があった』
おらふくんが僕と2人で過ごせるようにってどういうことなのか分からない。もしかしたらおらふくんも僕と同じ気持ちなのかもしれない。本来なら許されないこの気持ちに気づいてしまった僕は今までと同じような目でおらふくんを見ることはできない。けれどそれと同時に以前とは別に怖いと感じてしまうようになった。もしもおらふくんに嫌われたらなんて考えると呼吸すらまともにできなくなりそうになる。
『やっと2人になれた、今までずっと我慢してきた…でも我慢するのはやめるよ』
そう言った直後、左手を僕の頬に当てて僕の唇にただ当てるだけのキスをした。
『ずっと前から好きやよ、おんりー。もう誰にも渡さない』
本当は僕も同じ気持ちなのだと伝えたかったけれど、今はこの気持ちに浸っていたいとも思ってしまう。おらふくんの気持ちを知れただけでも嬉しいのに、僕のファーストキスがおらふくんだという事実が僕の体を熱くしていく。この気持ちを伝えるのはもう少し後でも良いのかもしれない。
そう思っていたのに……
[旦那様、結婚式は今月末でよろしいでしょうか?]『あぁ、予定通りに頼む』
結婚式ってどういうこと!?口振りからしておらふくんは元々そのつもりだったみたいだけれど、僕は心の準備すらできていない。本当に大丈夫なのだろうか……