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ーープロローグーー
朝起きて初めて出会うのは、家族でもなく、通行人でもなく、
ただの幼馴染だった。
??「ゆーいー」
私「んん…」
??「ゆーいー!!」
私「…」
??「いい加減…起きなさいっっっ!!」
私「わああああ!!」
朝はいつも、このうるさい声で起こされる。
??「あ、やっと起きたな!お寝坊さん。」
眠たい目を擦り、不機嫌そうに私は彼女の顔を見る。
??「そんな顔しないの!学校あるんだししょうがないじゃん。」
私「…おはよ、りん。」
りん「はいはい。おはようございます。早くご飯食べよ。」
彼女の名前は凛。なぜか朝は私の家にご飯を食べに来る。
私「…」
まあ、悪い気はしてないけど。
りんと朝ごはんを食べ終えると、学校に行く準備をする。
カーテンから差し込む光が部屋を照らす。眩しい。
ふと、りんがつぶやいた。
りん「学校行きたくないなあ。」
全くもって同感だ。
私「サボる?笑」
りんとなら普通にサボりたい。
りん「まさか。サボったら今日の授業置いてかれちゃうじゃん。」
少し寂しそうに窓の外を見ながらりんが答える。
私(…昔はこんなじゃなかったのにな)
りんの小学生の頃は、朝も起こされる側だったし、勉強が私よりできなくて、運動だって嫌がって、遊ぶことだけが大好きだった。優等生とは程遠い、フツーの女の子だった。
りん「お母さんにも、怒られちゃうし。」
今度はちょっと怖がるような声で続けた。
ー何かを恐れるような声で。
私「…りn」
りん「あっ!もう学校の時間じゃん!!ほら行くよ!!」
感じた違和感を振り払うようにりんが言った。
お母さんは誰でも怖いもんね。と自分を納得させ、学校に向かった。
Aちゃん「りん!おはよう!」
Bちゃん「凛ちゃん!おはよっ!」
Cちゃん「りんちゃん!!」
Dちゃん「おはよ、りん。」
あれま、人気すぎてりんが囲まれちゃった。
仕方ないのでりんにジェスチャーで先に行ってると伝える。
りんがこちらに気付き、OKのジェスチャーを返してくれた。
さて、教室に向かおう。