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寝室の扉が叩かれる。ソーマが夕食を持ってきたか、抱き込んでいた小さな体から離れ起き上がって寝台に座り、掛け布を引っ張り薄い茶を頭まで隠す。
「被ってろ」
入れ、と答えると扉が開かれる。ライナが扉を止め、ソーマとアンナリアが食事を乗せた台車を押して入る。
「置いていけ、俺がやる。ソーマ、風呂が汚れた。食事が終わったら片付けて新しい湯にしろ」
頭を下げた三人は寝室から出ていった。立ち上がり、ソーマが置いた夜着を取りに行く。
「出てこい」
キャスリンは掛け布から顔を出し、起き上がる。下着は履いているが冷やしてはよくない。近づく娘の頭から夜着を被せ、自身も夜着を着込む。小さな体を抱き上げソファに座らせる。台車から皿を取り机に並べていく。食べやすく切られているのは空色の前に置いていく。水差しと器も置いて、自分の分も並べて隣に座る。空色が水差しを両手で持ち、器に果実水を注ぎ俺に渡す。
「食べろ」
「はい」
寝乱れした髪のまま食事をする。随分伸びたな、ちゃんと美しく保っている。薄い茶を撫で頬張る頬に口をつける。空色は喜んで笑っている。俺は端から皿を手に取り口に放り込み咀嚼する。王都の端から食べていない。ここは食堂ではないから、食べながら話す。
「俺のいない間、何があった?」
誰か接触はしただろう。これに変化はないからおかしなことはされていないはずだ。
「庭師のサムが老公爵様のことを教えてくれました。私とゾルダークを心配して忠告してくれましたの。サムとの間にはダントルがいたから危険はなかったわ」
サムか、これとよく話をしていたな。
「なんて言われた?」
「閣下から離れてカイランの元に戻れ、そうしなければ」
殺すか。オットーの奴、なにが警告だ、脅しているだろうが。
「サムに、私と閣下は離れられない、私が消えたら閣下は狂うと言ったら驚いていたの。事実なのに」
「ああ、狂うな」
肉を頬張る頬を撫でる。よく食べるようになった。胸も尻も膨らんできた。飲み込む喉に触れる。
「私が嫡男を産んだら傲慢になると心配していたわ。女の子かもしれないのに」
「そうだな」
薄い茶の髪を掴み指に巻き付ける。
「閣下が私にお金を使い過ぎるのもよくないと思うわ」
「使ってない」
これがねだったように映るか、馬鹿共が。これが買った物も調べていないのか。
「他にも老公爵様の子飼いがいるのですって。その人達に、どうなるか話してとサムにはお願いしました」
俺が狂えばゾルダークは終わる。阿呆でなければ理解するだろうな。
「それでも警戒はしてましたわ。居室にはダントルが離れずいましたし、寝室にはジュノを置きました…」
俺が側にいないんだ、警戒は必要だ。なんだ、黙ってしまったな、終いか?皿に残る野菜を口に入れ噛んでいる。胸に触れると体が揺れるが咀嚼は止まらない。大きくなったな。乳母も探しているが何人必要なんだ、いつ会わせるか。硬くなった頂をつつく。顔を赤らめて食べているな。
「食べてます。悪戯はやめて」
やめん。俺は食い終わった、遊んでもいいだろう。腰に触れ尻を撫でる。いつになったら入るのか、楽しみだな。パンをちぎり口に入れた。俺が口を開けるとまたちぎり俺に放り込んだ。口が小さいから食べ終わるのが遅いな。パンを飲み込み、細い首に吸い付く。
「俺のつけた痕を見せろ」
出立前夜につけた痕だ、反対側か。薄い茶の髪を上げて体を捻らせ俺に晒す。残るもんだ、色が変色したな。
食べ終わったらしい、果実水を飲んでいる。
「カイランが私の寝室で寝たの」
唐突に腹が立つことを言い出したな。
「共に眠りたいとお願いされて、ジュノもいるし、扉は開けてダントルが見張るし、もし襲われてもカイランが盾になるでしょう?」
「ソファか?」
首を横に振る。だろうな、あれでも公爵家の人間だ。床に転がすわけにもいかんだろうな。
「触れたのか?」
「腹は撫でるのよ。世間的には父親になるでしょう?大切にしてほしいの」
腹を撫でながら説明をする。
父親などくれてやる、だが触れさせるのは我慢ならんな。
「それだけだろうな」
答えないな。隣に座る体を抱き締める。
「怒ってなどいない。奴は夫だ」
背中を擦る。これが求めていないことはわかっているが面白くはない。
「朝に寝ぼけていたら額に唇をあてたの」
体を離して顔を見る。
「やってみろ」
目を離さず、空色を見つめる。背を伸ばし額に軽く当たる。
「ははっこれだけか」
情けない奴だ、面白くはないが。
「許可を得てからすることだと教えましたわ」
「許可したのか」
「駄目、と言いました」
それで引いたか、情けない奴だ。
「奴が役に立ったら褒美にしてやれ」
役に立つことなど生涯ないだろうがな。
「こい」
膝を叩き座るよう求める。腕の中に入ってきた体を包む。奴には俺が解放するまで待つ覚悟があるか。奴の語る愛とやらでは無理だろうな。俺のいない隙に同じ寝台で眠るとは、腹が立つが俺にこれをくれたからな、その褒美と思えばなんともないが面白くはない。頭に口を落とし、動くなよと囁く。ベルを鳴らし隣で侍るソーマを呼ぶ。
「片付けていい、風呂も洗え。これと入る」
頬を撫でると体が揺れる。人がいると恥ずかしがる。
ソーマとハロルドが皿を片付け、アンナリアとライナが浴室を洗い始める。何故ハロルドがいる。
「ハロルド、休んでろ」
「明日から二、三日休みますから」
ソーマに報告するのか。頭に口を落とす。体に触れるとよく揺れる。これは意地悪だ、耐えろ。細い体を撫でながらハロルドに問う。
「足の薬は塗り続けろ、まだ血は出ているか?」
「いいえ、血は固まり始めております」
薄い茶の頭が動きハロルドを見る。
「ハロルドも足に怪我を?」
頭を押さえ隠す。動くなと言ったはずだ。
「騎士も足の豆が潰れて血が出ただけだ」
顎で頭を押さえる。ソーマならまだ許すがハロルドは若い、面白くない。今日は仕置きが必要だな。
ハロルドが皿を台車に乗せ部屋から去る。俺はソーマを呼び、これのために用意させた物を持ってくるよう命じる。まだメイド達は浴槽を洗っているだろう。
体に触れ頂を見つける。夜着の上から指先で転がす。首まで赤くしているな。晒された項に吸い付くと手で口を押さえ声を我慢している。これの好きな耳をしゃぶってやる。全て口に入れ舐め回し穴にも舌を入れてやる。水音が頭まで響くだろうな、腰が震えている。どこまで耐えるか。
「これが好きだろ」
耳元で声を出すと悦ぶのを知っている。涙を流して俺を睨むか、愛しいだけだぞ。小さい指が俺の腕をつねるが痛くないな。
「俺は共に眠れなかった、意地悪してもいいだろう」
今日は仕置きすると決めたんだ。面白くない思いもした、耐えてもらう。転がしていた頂を強く摘むと腕の中で体が跳ねる。ああ、愛おしいな。湯を全て運ぶにはまだかかる。泣き出すか。
ソーマが部屋に入り頼んだものを机に置いた。
「お前にだ」
赤い顔を上げ俺の指差す方を見る。これも持っているだろうが、俺の部屋にわざわざ持ってくるのは面倒だからな。手にとり眺めている。
「櫛と香油と手鏡ね」
ああ、と答える。
「ありがとうございます」
香油瓶を手にとり蓋を開け匂いを嗅いでいる。俺の好む柑橘類の香る特別製だ。
「気に入ったか」
いい匂い、と呟く声が聞こえる。
「ええ、とっても」
今日はこの香油を使う。瓶を置き俺の腕の中に戻った空色の腹を撫でる。
「痛みは?張りは?」
首を横に振る。そうか、よかった。
「閣下も湯に浸かります?」
頭を撫で、ああ、と答える。
「俺が洗うからな」
もう慣れたものだ。薄い茶を指で挟み手触りを楽しむ。