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アイツは、本当に何がしたいのだろうか。
俺には解らない。理解し難い物だ。
なのに、何故だろう?
アイツに妙に惹かれてしまった。
いや、これはきっと、理解し難いからこそ気になるのだ。
おかしな事、では無い。はずだ。
おかしな胸の動悸を熱のせいにして、まだ少しボンヤリとする頭で主炎のこれまでの行動を脳内で整理する。
温かい料理、毛布、看病、ベッドへの移動、踏み台の用意。そして、主の安否を知らせてくれた。
これら全てが“敵のドール”とは思えぬような物だ。
――コイツは本当に敵なのか…?――
そんな疑問がまた、脳裏に響いた。
ドールは、自身の主が死なない限り生き続ける。世話なんて焼く必要性は無い。
俺の監視役だからか?
監視役と言う職務に置いて、対象の生存は必要不可欠だろう。だが、何故それで“心配の色”を瞳の奥に宿したんだ?
知らない。知りたい。解りたい。
そんな言葉を探究心の塊だと昔言われた俺の心が訴える。
知った所でどうする?解った所でどうする?
そんな事はどうでも良くなってしまう程に、俺の探究心は昔から衰えていない。
ただ、そんな探究心を他所に、体の虚弱さは変わらない。
何度も、何度も大きく咳き込んでしまう。
咳と共に血を吐いたのは数知れず、熱を出して倒れた数もわからない。
そんな己の虚弱さを幾度と無く恨んできた。
呪いと言っても過言では無いこの体質を、いつか嫌いではなくなる日は来るのか。
なんて、始めに考えていた事から随分と脱線した頃、微かに油を差したと見られるそのドアが音を立てて開いた。