中二病とは。
小説やアニメの影響で、その話に出てくる魔力だのマナだのの力があると錯覚してしまい、突然詠唱をしたり、剣を振り回したり、まぁいわゆるアニメを見ていたら誰でもかかってしまう病だ。もちろん作者自身も主人公自体もかかっているわけである。
「なぁできたか?」
「あぁできたぞ」
「本当か!!」
俺は小鳥遊淕。アニメに没頭している高校1年生だ。
そしてこっちのセンター分けイケメンは俺の幼馴染、白嶋純だ。俺と同じ高校1年生でものづくりが趣味でよく俺に付き合ってもらっている。
「っていうか本当に必要なのか?この剣」
「あぁ。かっこいいだろ?」
「まぁ俺の最高傑作だけど…」
純にはあまり「これを作ってくれ」というのを頼まないのだが、俺がアニメにハマったときに「剣を作ってくれ」と頼んだのだ。
「まぁ、これ家において早く学校行こうぜ」
「オーケー淕」
俺等は極普通の高校生、陰キャってほどでもないけど陽キャってほどでもない。間くらいだ。
俺が異世界転生モノのアニメにハマったのは中学2年生の頃、その当時は勉強や部活を両立しないといけなかったのだが、平日は勉強や部活に没頭。そして土日、祝日は午前中に部活を終わらせ、そして終わったすぐ後に勉強や課題をすべて終わらせ、アニメを一気見して過ごしていた。
そしてどうして俺がアニメにハマったのか。それは純がアニメをおすすめしてくれたからだ。
本当に純には感謝しかない。特にやりたいこととかなかったから、いつも同じことの繰り返しにアニメが入ってきて、人生が色づいたような感覚だった。
そんなこんなで勉強や部活を頑張り、純と同じ高校に行くことができたのだ。
純はもともと頭が良い。純は「努力家だ。」といつも言っているが先生の話を聞くと一発で覚えてしまう”天才”だ。
俺は純みたいなことはできないから張り合える程度には頑張っているつもりだ。
まぁ純には勝てないけどな。
話が変わるが、俺の幼馴染はもうひとりいる。
「おはよー!淕!純!」
サラサラ黒色ロング髪を揺らしているこいつは森山朱。
俺と純の幼馴染であり、純の彼女だ。
幼馴染だから好きという感情が芽生えるのはアニメでは定番なんだが、俺は朱のことをまずまず恋愛対象として見ていない。
兄妹みたいな感じだ。
一方純は結構朱のことが好きだったらしくて、付き合う前は俺にずっと相談してきた。
その恋が実って俺はうれしい限りだ。
「おはよー朱!」
「おはよう。」
俺等はいつもどおりの人生を歩んでいく。
はずだった。
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「なぁ純、あのおすすめしてくれたアニメめちゃくちゃ面白かったぞ」
「淕、それ勧めたの3ヶ月前くらいだぞ…」
「あれ?そうだっけ?」
「淕って勧めたアニメとか見るの遅いよね〜」
「えっ…まぁやることとか色々あるし…?」
「部活なのも入ってないからやることないでしょ」
「…そうじゃないんだよ純〜」
そう楽しく話しながら俺等は授業の準備をした。
話しながら準備をし、終わった頃に先生がやってきた。
「はい席についてー、。朝の号令しましょう。」
「起立!気をつけ!おはようございます!」
席に座ると同時におかしな光景が俺の目の中に入ってきた。
「ヴー」
ん、なんだあいつ。
そこには学校の周りにある壁に体を押し当てている人がいた。
「なぁ、朱。あれやばくね?」
「ん?、あれ、本当だ。」
「先生に一応言っとく?」
「そうしたほうが良いかもな。朱、頼んだ。」
俺はドヤ顔をしながら朱の顔の前にグッドサインを出した。
朱はため息をつきながら先生に言う。
「先生。ちょっとこっちに来てもらえませんか?」
「どうしたんですか朱さん。」
そう疑問に思いつつも先生は朱の近くに行き、朱は不審な行動をしている人物のことを指差す。
「…あら、気味が悪いわね…」
「ですよね…。」
「…一応今のうちに先生のチャットに書いておきますね。」
「わかりました。ありがとうございます。」
そこから俺はずっとその不審な人物を眺めていた。
眺めていて数分経った時に先生たちが見にいっているのが見えた。
「大丈夫か?」と心配しつつも俺はずっと見ていた。
先生たちは脚立を使って学校の壁に上り、棒でその不審な男の頭を突いた。
一瞬の出来事だった。
その棒に苛立ったのかわからないけど、その棒をものすごい速さで自分のところに引っ張り、先生を壁から落とした。
そしてしっかり見えた。
不審な男は先生を壁から落として、先生の首を狙って食らった。
先生は大声を出しながら痛そうに足をジタバタさせる。
だけど数秒経ったらそれがなくなった。
「…えっ死ん…だ…?」
そう思った瞬間に先生はゆっくりと起き上がった。
「…え?」
壁の向こうにいる先生一人は何も見えていないから焦っていたけど、そんな時間はなかった。
先生は壁にジャンプし掴まって、壁を登ってその影の向こうにいた先生の首を狙って食らった。
俺はそれを見た瞬間、席を立った。
ガタン!
「どうしたんですか?淕さん。」
「純、朱。」
「どうした。」
「どうしたの?」
「逃げるぞ。」
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