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深夜コンビニ24GO!

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深夜コンビニ24GO!

1 - S1E1 おでん戦争、開幕

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2025年10月27日

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深夜2時。

静まり返った街の中で、俺が働くコンビニだけが、妙に明るく光ってる。

「セブンでもファミマでもローソンでもない」——なんか微妙な名前の個人経営っぽいチェーン。

店の名前は「24GO!(ニジュウヨンゴー!)」。

いかにも“頑張ってる感”がすごい。


俺はカウンターの中で、おでん鍋と格闘していた。

「大根2本、こんにゃく3、卵1……」

数を確認しながら、なんとなく思う。

——この卵、昨日も1個だったな。


横でタバコ補充してた相方のユウトが言う。

「なぁ、俺、気づいたんだけどさ」

「やめろ、夜勤で“気づいたこと”言うな。不安になる」

「昨日の夜も卵1個だったんだよ」

「うん」

「今日も1個」

「うん」

「つまり、“誰かが毎晩、卵だけ食ってる”んだよ」

「……あー、なるほど。で?」

「犯人、あのジジイだと思う」


その瞬間、ドアが「ウィーン」って鳴った。

冷たい風と一緒に、まさにその“ジジイ”が入ってきた。

頭に白いタオル、胸には“おでん愛好会”の缶バッジ。

完全に、卵のプロ。


「今日も、卵だけ!」


俺とユウト、顔見合わせる。

完全に確定演出だった。


ジジイがレジ前で待ってる間、俺はつい聞いてしまった。

「なんで卵だけなんすか?」

「若者よ、わしの体は、卵でできておる」

「え、ええ……」

「医者にも言われた。“もう少し卵を控えなさい”とな。

だがわしは、魂が許さんのだ!」


ユウトが小声で言う。

「いや、たぶん黄身のとこに魂こもってんだろ」

俺は笑いこらえながら、ジジイの卵を袋に入れた。


その後、しばらく客も来ず、店内は静かになった。

俺たちは、意味もなくホットスナックの棚を拭きながら、くだらない話をしてた。


「お前さ、将来どうすんの?」

「んー、金貯めてゲーミングチェア買う」

「夢ちっさ!」


そんなことを言い合ってると、突然「ピーーーーッ!」ってアラームが鳴った。

見れば——おでん鍋が沸騰してる。

しかも、卵が浮いて、まるで“爆弾の起爆装置”みたいにプカプカ。


「おい! 卵暴れてるぞ!」

「やべぇ、“ジジイの魂”が覚醒した!」


慌てて火を弱める俺ら。

だが、卵は止まらない。

ポンッ!と破裂音を立て、白身が飛んだ。


「うわっ、俺の名札に黄身ついた!」

「魂、直撃してんじゃねーか!」


その瞬間、再び「ウィーン」。

入ってきたのは、さっきのジジイ。

「……卵、爆ぜたか?」

「はい、少し」

ジジイはうなずき、静かに言った。

「ならば次は……大根の儀式じゃ」


俺とユウト、同時に固まった。

夜勤、マジで油断できねぇ。


店長にその話を翌朝したら、

「おでんの神様に触れたな。昇給はないけど」

って真顔で言われた。

俺は思った。

——この店、たぶん人間よりおでんが偉い。

深夜コンビニ24GO!

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