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あいる
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ぱんだんこぱ
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八城奏斗@低浮上
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【注意事項】
①こちらはirxsのnmmn作品です nmmnを理解している方のみお読みください
②この作品には、以下の要素が含まれますので自衛等お願いします
・桃×青(BL❌)
・青病み(鬱表現)
③他SNSなど、齋-nari-の作品を公に出すことは絶対にしないでください
④コメント欄ではご本人様の名前を出さず、伏字の使用をお願いいたします
⑤こちらは連載作品となっているため、1話から読むことをお勧めします
笑えているうちは、大丈夫だと思っていた。
朝起きて、仕事をして、人と話して、冗談を言われたら笑い返す。誰かが困っていたら話を聞いて、頼まれたことはできるだけ断らない。
そうやって一日を終えられるなら、まだ平気なのだと思っていた。
少なくとも、そう思っていなければやっていられなかった。
「まろー、今日もありがとう」
「全然ええよ。お疲れさん〜」
通話の向こうにいつもの声が並ぶ。いつもの話をして、いつものように笑う。楽しい瞬間だってあった。
笑ったことも、楽しかったと思ったことも、嘘ではなかった。
だからこそ、自分がどうしてこんなに疲れているのかわからなかった。
通話を切ると、部屋はひどく静かになった。
さっきまで聞こえていた笑い声がなくなる。
暗転した画面に映る自分は、まだ笑っていた。
明日になれば、少しはマシになるかもしれない。
ちゃんと休めば、またいつも通りにできるかもしれない。
そう思って、眠れない夜も
好きだったものを楽しめない日も
何をするにも時間がかかるようになったことも
ひとつずつ先送りにした。
誰かに「大丈夫?」と聞かれれば、答えは決まっていた。
「大丈夫やで」
心配をかけたくなかった。困らせたくなかった。
いや、置いていかれたくなかっただけかもしれない。
それに、自分でもまだ大丈夫だと思いたかった。
ある朝、目が覚めてからずっと布団の中にいた。
起きなければいけない。連絡も返さなければいけない。そんなことはわかっているのに、身体が動かなかった。
ようやくスマートフォンを手に取っても、文字を打てなかった。
大丈夫でも、ごめんでも送ればよかったものの、そのたった数文字がひどく遠かった。
そこで初めて、怖くなった。
頑張ればできると思っていたことが、できなくなっている。
笑っていれば大丈夫だと思っていたのに、ひとりになった途端、何もできなくなってしまう。
それでも、誰かに助けてほしいとは言えなかった。
何をどう説明すればいいのかわからなかったし、そもそも、自分がどうしてこうなってしまったのか、自分自身にもわからなかった。
ただ、もう少し頑張れたら。
もう少し休めば。
もう少しいつも通りにできれば。
そうすれば、きっとまた。
笑える自分を、捨てたくなかった。
みんなと話せる自分も、頼ってもらえる自分も、いつも通りの自分も。
そういう今までの自分でいられなくなったら、何が残るのだろう。
考えるたびに、また笑おうと思った。
誰かに会うときには笑って、声をかけられたらいつものように返事をして、大丈夫だと聞かれたら大丈夫だと答えた。
それが、できてしまったから。
できることと、平気であることが同じではないと分からなかった。
いや、分かってしまったら、立ち止まらなければならなかったから。
だから、わからないふりをしていたのかもしれない。
いつかちゃんと休める日が来る。
いつか何も考えずに笑える日が来る。
そう信じて今日も笑った。
それしか、知らなかった。
桃.side
医師から薬の説明を受ける間、まろは別の場所で待っていた。
診察を終えた後、俺だけが呼ばれたのだ。まろ本人が事前に共有を了承している範囲で、今後の服薬や生活について説明したいらしい。
飲み方、気をつけること。調子が悪くなったときは、無理をせず相談してほしいということ。
俺は説明を聞きながら何度も頷いた。
その途中で、医師が静かに言った。
「つらいときにも周囲には普段通りに接することができていたそうです。心配をかけたくないという気持ちも、強かったようですね」
「……そうなんですね」
「笑顔で過ごせること自体が悪いわけではありません。ただ、普段通りに見えることと、無理なく過ごせていることは、必ずしも同じではないんです」
手元の説明書に目を落とした。
知っていたつもりだった。
まろが大丈夫だと言うたびに、それをそのまま信じることができなくなっていたから。
けれど、目の前で笑っているまろを見ればどこかで安心してしまう自分もいた。
話せる。笑える。いつものように返事ができる。
だから今日は少し調子がいいのかもしれない。
そんな風に、目に見えるものを頼りにしていた。
「身近な方にできることは、無理に話を聞き出すことではありません。話せるときに話せる環境をつくること。
それから、調子のよい日も悪い日も、普段通りに接してあげることです」
俺は、ゆっくり頷いた。
まろが苦しんでいるなら、何かしてやりたかった。何がつらいのか どうすれば楽になるのか、俺に何ができるのか。
わかることが増えれば、何かひとつくらい解決できると思っていた。
けれど、俺の知らない時間がある。
俺の知らないところで、まろが何を考えて、何を我慢していたのか。
その全部を、今から知ることはできない。
「ありがとうございます」
説明を終え、待合のほうへ戻る。
まろは椅子に座って、診察中に書いた紙を眺めていた。
「終わった?」
「うん。暇してたやろ」
「全然。帰ろ」
まろは、いつものように笑った。
その顔を見て、胸の奥が少しだけ痛んだ。
笑わないでほしいわけじゃない。無理に笑うなと言いたいわけでもない。
ただ、笑っていないまろを見たときにも、俺が変わらずここにいられるようになりたかった。
まろの家へ向かう道は、何度も歩いたことがある。
見慣れた景色を通り過ぎながら、俺は病院で聞いた話を思い返していた。
“普段通りに見えることと、無理なく過ごせていることは違う。”
あいつが笑っていたとき。
俺たちの前で冗談を言っていたとき。
あれは、本当に大丈夫だったのだろうか。
今さら、答えのわからない問いを並べても仕方がない。
俺の知らない時間があった。そのことを、なかったことにはできない
でも全部を聞き出したいわけでもない
まろが話したくなったら聞けばいい。話したくないのなら、話さなくていい。
わかったつもりになって、あいつの気持ちを勝手に決めてしまうことだけは、絶対にしたくなかった。
家の前に着いて、スマートフォンを取り出す。
『着いたけど』
そう送ると、すぐに返事が来た。
『あいてる』
俺は鍵を取り出した。
────────────────────────
玄関を開ける。
いつものようにリビングへ向かったけれど、まろの姿はなかった。
「……まろ?」
返事はない。
寝ているかと思ったけれど、さっき連絡は返ってきた。
そう思って寝室を覗いたとき、俺は足を止めた。
寝室のカーテンが、窓の半分ほどまで開いていた。
その向こうの窓も、ほんの少しだけ開いている。
隙間から入ってきた風が、カーテンの端をかすかに揺らしていた。
まろは、窓際に立っていた。
外を見つめたまま動かない。
何を考えているのかはわからなかった。
ただ、いつも閉め切られていた窓が開いていることが、妙に目に留まった。
一歩部屋に入ると、小さな物音に気づいたのかまろがゆっくりと振り返った。
「……おはよ」
いつもと変わらない声だった。
「おはよう、まろ」
俺も、いつも通りに返した。
まろの背後には、朝の光が差し込んでいた。
窓の外には、いつもと変わらない景色が広がっている。
特別に綺麗なわけでも、何かが変わったわけでもない。
ただ、そこにあった。
まろは一度だけ窓のほうを振り返って、ぽつりと言った。
「……まだちょっと怖い」
何が、とは聞かなかった。
外に出ることなのか。誰かと話すことなのか。
またいつも通りに過ごせなくなることなのか。
俺にはわからない。
きっと、まろ自身にもうまく説明できないのだと思う。
「知ってる」
だから、そう答えた。
俺は窓のそばまで歩いて、開いたカーテンの隙間から外を眺めた。
「でも今、一人じゃないでしょ」
まろは何も言わなかった。
ただ少しだけ目を伏せて、それからまた外を見た
笑ってはいなかった。
いつものように冗談を言うことも、
平気なふりをすることもなかった
それでも、俺はそこにいるまろを見ていた。
笑っていなくても。
何も話せなくても。
大丈夫だと言えない日があっても。
ここにいていいのだと、いつかまろ自身が思えるようになればいい。
その日が明日なのか、もっと先なのかは分からない。
俺が隣にいることで、何かが変わるのかも分からない。
それでも、急がなくていいと思った。
今日は、カーテンが少しだけ開いていた。
それだけで十分な朝だった。
締め切ったままだったカーテンが、今日は少しだけ開いている。
外からの風に靡いたまろの青髪が、光に透けてとても綺麗だと思った。
fin.
これにて完結。
ご愛読、ありがとうございました⟡.·*
4話・5話共にハート・コメントたくさんください🔅🔅
フォロワーさん、(とくに)相互さんへ
数ヶ月浮上しなかった間、みなさまの投稿作品全く追えてないのでこれ投稿してるからみて‼️‼️とかこれ連載始めたよ‼️‼️とかたくさんおすすめ、宣伝しにきてほしいです!
言ってくれたもの全部見る!!!
出来れば賽は青受け桃受けあたりだと尚嬉しいよ〜〜👉🏻👈🏻
あとは桃源暗鬼と文スト(これは再熱)に今はまってるのでそっちとかほかアニメでもなんでもみてみてしに来てくれたらうれしい!!!
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