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組織に戻ると、すぐに騒ぎになった。
「おい、それ何だ」
「子供…?いや魔力やばくね?」
「拾った」
僕は簡単に説明する。
すると一人がその服に気づいた。
「……待て、その服」
よく見ると、ボロいけど見覚えのあるデザイン。
しかも——
「これ……仕込まれてるぞ」
ピッと機械を取り出す。
「GPSと盗聴器」
「……は?」
空気が一気に張り詰める。
⸻
「……クォーツ組織か」
誰かが低く呟いた。
その瞬間、
赤ちゃんオオカミがビクッと震えた。
「……っ、やだ……」
小さな声。
僕の服をぎゅっと掴む。
完全に怯えてる。
(クォーツ組織の子供……?)
そのとき、別のやつが言った。
「なあ、この特徴……」
「……ああ」
「蒼真の弟じゃね?」
場の空気が一瞬で凍る。
「……は?」
僕は眉をひそめる。
蒼真。
クォーツ組織の幹部。
仲間すら平気で見捨てることで有名なやつ。
でも——
「弟には異常に甘いって噂の」
「……それか」
⸻
腕の中の赤ちゃんオオカミを見る。
確かに、服は無理やり着せられたようなサイズ感。
そしてどこか——
大事にされてた痕跡。
「……」
そのとき、
「……にぃ……」
小さく呟いた。
「……?」
「……にぃ、どこ……」
ぎゅっと、僕にしがみつく。
完全に不安でいっぱいの顔。