テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#さのじん
#snjn
のりもちさん
6,242
仁人side
今日もいつも通り遅めの電車に乗るために駅へ向かっているとそこにはまさかの勇斗がいた。
……え、なんで!?
思わず声をかけそうになったけどすぐに太智の作戦を思い出す。
そうだ、今は引くんだった……!
俺は勇斗に気づいていないふりをしてそのまま目の前を通り過ぎた。
……うん、ちゃんとできた!
自分を褒めながら電車が来るまでスマホをいじって待っているとふいに目の前が影になった。
ん?
顔を上げるとそこには勇斗が立っていた。
仁人「……どしたの?」
勇斗「いや、今日寝坊したからこの電車なんだけど……。良かったら一緒に行かね?」
……え?
今、なんて?
勇斗から誘ってきた……!?
今まで何度誘っても断られてきたのにまさか向こうから誘ってくれるなんて思ってもいなかった。
心臓がうるさいくらいにドキドキしている。
落ち着け、俺!
ここで浮かれたらダメだ……!
仁人「い、いいけど……このあと太智も来るけど、大丈夫?」
勇斗「うん、ありがと」
そう言って勇斗は俺の隣に立った。
…………。
……気まずい。
いつもなら俺から話しかけているのにいざ隣に並ぶと何を話せばいいのか分からない。
そんなことを考えていると、
太智「じんとーー! ……って、あれ? 勇斗?」
勇斗「よっ。ちょっと今日一緒に学校行かせてもらうわ」
太智「ふーん?」
勇斗の言葉を聞いた太智は俺の顔を見ながらニヤニヤと笑った。
……おい。
その顔絶対なんか考えてるだろ。
仁人「……なんだよ」
太智「なんも〜?」
絶対嘘だ。
そんなやり取りをしているうちに電車が来て、俺たちは3人で学校へ向かった。
……が。
特に会話が弾むこともなくほとんど無言のまま教室に到着した。
俺は自分の席に座りひとまず朝の出来事を頭の中で整理する。
……勇斗から誘ってきた。
いや、待って。
これって、結構すごいことなんじゃ……?
そんなことを考えていたらあっという間にお昼の時間になった。
すると、
勇斗「今日友達休みだからさ、一緒に食べていい?」
……え?
また!?
思わず太智と顔を見合わせる。
すると太智は何食わぬ顔で笑った。
太智「ええで! はい、ここ」
そう言って俺の隣に椅子を用意し勇斗に座るよう促した。
勇斗「ありがと」
……近い。
いや、いつもと同じ教室だしただ隣に座っただけなんだけど。
なんかめちゃくちゃ意識してしまう。
……落ち着け、俺。
けど、結局何を話せばいいのか分からないまま、お昼休みは終わってしまった。
そして放課後。
今日はもう何もないだろうと思い太智に声をかけて帰ろうとした、そのとき。
勇斗「あの……さ、一緒に帰らん? 二人で」
仁人「……えっ?」
思考が止まった。
……え、今度は二人で!?
朝も、お昼も、放課後まで!?
何が起きてるんだ!?
助けを求めるように太智を見ると太智はニヤニヤしながら「行ってこい」と言わんばかりに目配せしてきた。
……くそ、楽しんでやがる。
仁人「う、うん! いいよ!」
声、裏返ってないよな!?
そんなことを気にしながら俺は勇斗と二人で学校を出た。
……けど。
緊張しすぎて何を話したのかもいつ別れたのかもほとんど覚えていない。
ただ、隣を歩く勇斗のことばかり気になっていた。
そして。
この日を境に勇斗は少しずつ俺との距離を縮めてくるようになった。
コメント
4件
効果覿面すぎる! 今後の展開が楽しみです!
💙さんナイス作戦だ! 作品面白くてつい見入っちゃいました!続き楽しみです💞💞

ダイちゃんの作戦成功だね(*^^*)