「あ”? 何や,此処…」
気が付くと俺は冷たい床に寝そべっていた段々と目が冴えてくると,周りが見えてくるふ,と隣を見ると,其所には体格の良い男…そう,俺の初恋の相手が仰向けで眠っていたのだ
「ぇ…甚爾君?何で居るん??」
何故彼がが自身と共に此処に居るのか…誰が自身らを此の真っ白な部屋に連れてきたのか…そして此処は何処なのか…自身にも全く分からなかった
取り敢えず,彼を起こさなければと思い,
「甚爾君,甚爾君…?」
と彼の肩を何度か揺さぶると,彼が目を覚ました
鋭い目で彼に見据えられ少し気持ちが高ぶる
「あ”?誰だよ…ってお前は…禪院家の」
「そうや,…俺の事覚えててくれはったん?
嬉しいわぁ~」
(手を合わせ,咄嗟に営業スマイルを作る
自身が貴方を好いている事を知られてしまっては,嫌われてしまうんじゃないかと思い、思わずにやけそうになる気持ちを抑えてわざと何時もの笑顔を顔に浮かべた
甚爾君はお前など興味が無い,と言いたげな表情で”そうか”と呟き,ゆっくりとその場に立ち上がると,部屋に一つだけ在る白いドアの方にさっさと行ってしまった
『甚爾君待って,置いてかんといてや!』
貴方の方に上記を言って駆け寄る
彼は丁度ドアノブに手を掛け横に捻り,自分の方に引こうとしていた所だった
『…は?開かねぇんだが…』
ドアは押しても引いてもびくともしなかった
暫くすると甚爾君はさっさとドアを諦め,壁際の方に行ってしまった
急いで彼の後を追いかけ,”どうしたん?“と尋ねる
かれはそんな事,一目見たら分かるだろ と呟くと同時に自身の拳を真っ白な壁に叩きつけた
“ドンッ”と大きな音が部屋に響く
家の木製の柱なら難なく簡単に破損させられるくらいの打撃…,
その衝撃が空気中を波となって伝わる
俺の鼓膜がビリゞと振動した
…其れでも壁にはヒビ一つすら入らなかった
だが,此れ程の力量は並みの人間には出すことが出来ない…俺は目の前でフィジカルギフテッド…天与呪縛の力を思い知らされる事となった
はッ として甚爾君の居る方を見ると,彼は飽きらめたかの様に床に胡座姿で座り込んでいた
彼は身体を張って部屋を壊そうとしてくれた
何か俺に出来る事は無いだろうか…そう思い,彼と反対側の壁際に行き,入念に部屋の鍵が墜ちていないか探す
すると,角に何か小さな紙切れが落ちている事に気づいた
何度か折りたたまれた白い紙…其れを拾い上げて開いてみる
『嘘や,ろ…』
紙切れに書かれていた文を読んで俺は絶句した
コメント
2件
垢変更しました ~ 此方の垢から改訂版を読む事が出来ます ‼︎ 是非に ~~ ( 本人故偽垢では有りません ‼︎ )
続きが楽しみです!!