_仏姫 side
「刹那、一筋の雷光が絶望を切り裂く。
その輝きはまるでオレたちを鼓舞するようであり、そして敵への威嚇でもあった。
神々の与えた雷の威光、小さいけれど頼れるその背中、自身の電流で巻き上がる黒髪。
もう大丈夫だ。
今思い返せば、このときだったのかも知れない。
雲から不穏な空気が漂い始めたのは。」
薄い黄色のしおりを挟み、そこで本を閉じる。
小一時間程、集中して読んでしまっていた。
これは明日の楽しみに取っておきましょう。
1日で読み切ってしまうなんて、そんなの勿体ないじゃない?
ぐぐ、と小さく伸びをし、座っていた椅子を定位置に戻す。
それから、自分の布団に腰を掛ける。
私にとって読書は、1日の中で欠かせない要素。
冠婚葬祭、入学卒業、抗争、どんなイベントがあれど本は読みたい。
…、というのは流石に過剰表現だけど。
それ程に、私は本が大好きなの。
でも星月衆には共感してくれる人が中々居なくて。
だけど、私には親友が居る。
とっても優しくて大っ好きな親友が2人!
そんな親友を探しに行くため、殺風景な階段を、たん、たん、と軽快なリズムで下る。
1人は訓練場でしょうけど、もう1人は…、広間?
けれど、訓練場と一括りに言っても2つあるし、どうしましょう。
階段から離れ、1階の廊下を歩く。
…ふらっと歩いていれば見つかるかしら。
そう思った矢先、視界の隅に何かがちらついた。
月「エラ!」
晨「エラルカ!」
ほら、言った通りでしょう?
『探したのよ?』
晨「ホント?」
『正確に言うと探そうとしてた、だけど…』
『良いのよそれはっ!』
というと、2人はクスクスと笑い始める。
『もう…!!』
月「で、何?」
月が自分の腰に手を当て、私に問う。
何って…、
『目的なんてないわよ、親友じゃない』
月「へ〜〜……」
晨「!!!!」
と、月は興味なさげにしているけれど、内心とっても喜んでいること、知ってるわよ?
あのツンデレに比べれば、晨は結構わかりやすいわね。
なんとな〜くだけど、ふわふわしたオーラみたいな…?
あっ、そう、お花が見えるの。
これは過剰表現じゃないわよ?
こんな他愛もない会話をしながら、3人で廊下を歩く
何故かいつも、月が真ん中。
宇宙人の図みたいで面白いわよね。
こんなこと言ったら怒られちゃうけれど。
そうしていると、いつの間にか訓練場に着いていた。
早いわね〜…、というか、なんで訓練場…?
……、嫌な予感はしてるけど、当たらないことを祈るわ。
月「よし…、戦ろうや」
『嫌よ……、』
晨「相変わらずネ…」
予感は的中よね。
晨も私も、もう呆れている。
というか日常茶飯事すぎて刺激に欠けるというか…。
『月、もっと面白いこと言ってよ』
月「何言ってんねん」
晨「ソーダソーダ〜」
月「ほら晨もこう言って…」
晨「いつも同じで飽きた」
月「そっちかよ」
ショートコントのようなやり取りに思わず吹き出してしまった。
あー馬鹿らしい!
でもこんなやりとりが大好きなのよね。
『私、2人のこと、大好きよ』
月「…え、何?死ぬん?」
晨「ワタシも大好き!!」
月「晨もそっちか……、、、」
こんな会話で良い。
いいや、こんな会話が良い。
気味の悪い頭痛に苛まれながらも会話を続ける。
右脳がピリッと痛むような感覚を携帯しながらも、2人に心配させないためにも元気よく振る舞う。
…そうじゃないと、お姉様みたいになれない。
そうでしょう…?
__第3章 崩壊 閉幕
__第4章 予知夢 開幕
コメント
7件
おいどんの子が…!!喋った!!!🥺🥺 ばちぼこキュートで可愛いですねこの3人🫶🫶
う〜んかわいい…👊🏻👊🏻💖💖💖
この3人ばかかわいいな、、 この生活が一生続けばいいのに__