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『虚空を愛せし者に魅入られて。』
のサンプルとなります。
mckzとなります!!knがタヒんだ後の世界です。
綺麗で美しい教会、その周りには緑々しい木々。
裏手には真っ白な花が1面に咲き誇っていた。
まあ、それもとうの昔の話だ。
いや、2年前かもしれないし3年前かもしれない。
吸血鬼の俺は人間との時間感覚が違うから、長い間人間界に居ないと思っていても実際は半年とか一年とか。
久しぶりに来たこの場所は、黒焦げになり、所々は枠組みが剥き出しになっている。
ステンドグラスは割れ、綺麗な緑は怪しく生い茂っていた。
裏手に回れば、真っ白な景色は消え去り、更地となっていた。
扉を押せば、ギギギッと、不気味な音を立てて開く。
荒れ果てた教会の中を歩き、教会の中にある大きな棺に近づく。
持ってきていた花束を置き、棺の蓋を開ける。
中から現れたのは、少し身体が朽ち欠けているものの生前の姿をまだ保っていた、俺の大事な相棒であり、大好きな人間だ。
名前は叶。
驚くほどのお人好しで、サイコパス。
ここの教祖をしていながら、ヴァンパイアハンターも担っていた。
なんで、あいつが死ななきゃなんねえんだよ、、、、
叶に教えてもらった、人間が死んだ後の方法を行ってあいつが、ちゃんと天国に行けるように。
手を組みながら、願う。
まあ、神が吸血鬼の俺の願いを叶えてくれるわけがないか。
十分に願って、持ってきた花束を解き、枯れてきている花の上から新しい花を植えていく。
丁寧に、丁寧に。
全ての工程が終わり、帰ろうかと思ったとき。
「おい、吸血鬼がここで何をしている」
後ろから声がしたと同時に首元に剣先が突きつけられる。
「、、、、、誰だ」
「敵に名乗る必要なんてあるか?」
「まあ、そうか」
後ろのやつが俺を敵と言うということは、ヴァンパイアハンターだ。
というか、いつから居た?
「お前がこの方を殺したのか」
「、、、、さあ」
「お前が殺したというのに、なぜここに来ている!!!」
「私が殺したと、なぜ言える」
「吸血鬼は我々の敵だ。ヴァンパイアハンターが死んでいるということは吸血鬼が殺したに他ならない」
、、、、まあ、俺が殺した、はそうだが、、、
後ろで話している奴を無視して、あの場所に向かおうとする。
「動くな!!」
全部無視する。
後ろで喚いているのを無視して、荒れ果ててる花畑に向かって、歩き出す。
あの綺麗だった場所は、跡形もなく消えている。
無意識に拳に力が入る。
「ここが黒いのも、お前が火を付けたのか」
歩く。
「何か話したらどうだ」
ドアがある。
ドアを開けば、この教会の裏手に出てくる。
やっぱり、あの景色が好きだ。
今は、もう跡形もないけど。
「なんだ?ここで戦うつもりか」
「なあ、お前」
「俺を、殺せるか?」
「は?どういう意味だ。殺せるが」
「じゃあ、死ぬ前に少し昔話をしてもいいか」
「遺言か?好きにしろ」
「、、、何年か前。俺たちはこの教会で出会った」
俺は、この教会近くで悪さをしている他の吸血鬼の処分のために訪れた。
あいつは俺と出会った瞬間、銃を向けてきた。
まあ、ヴァンパイアハンターだから当然なんだが。
そこで、俺らは戦った。
結局、二人共力尽きて、二人して床に寝そべった。
そっから、なぜかはわからないけど、二人で戦い方を褒めあった。
「あの動きはすごかった」「あのフェイント騙された」とか。
そっから、何故か仲良くなってしまった。
ここに住まないか?なんて聞かれて。
まあ、俺自身魔力は先の戦いで消耗していたから正直ありがたかった。
それで、あいつの目的を聞いたら、どうやら俺と同じ吸血鬼の討伐らしかったから、利害の一致で結局一緒に住むことになった。
表向きは教会の教祖とシスター、裏は魔物を倒すハンターと吸血鬼。
俺等は意外と相性が良かった。
でも、俺がいるから必然的にあの吸血鬼がここに奇襲を掛けてくることはなんとなく想像は付いていた。
そして、その日は突然現れた。
夜、吸血鬼が奇襲を仕掛けてきた。
あいつより、俺の方が近接が得意で主に戦って、あいつがサポートだった。
でも、油断した。
吸血鬼が叶向かって攻撃を仕掛けた。
あいつがそんな簡単にその攻撃で殺られるとは思っていなかったけど、
怖かった。
もう一度、知り合いを失いたくなかった。
だから、吸血鬼から一瞬目を離した隙に俺は攻撃を食らった。
急所は外れたが、中々に深い傷で。
そんな簡単に俺は死なないが、一瞬死んだ。
その後のことは知らない。
目を覚ませば、吸血鬼は血を流して倒れていた。
俺等は教会が炎に包まれた中、真ん中で二人仲良く血溜まりを作って寝っ転がっていた。
叶の生存確認をするも、もう、叶はこの世に居なかった。
僅かなぬくもりを残して、俺を庇ったのかグロい傷を負って横たわっていた。
俺たちを囲んでいた炎はすぐそこまで迫ってきていた。
俺は、横たわっている吸血鬼をもう一度刺して、死んだことを確認した後、叶を背負って、裏手に出た。
まだ、火の手はこっちに来ていなくて、無事だった。
そこに叶を下ろして、そっからは、どうしたっけな。
ただただ、静かに泣いてた気がする。
初めて、知り合いを失った時は悲しみよりも、知り合いを殺した奴が許せなかった。
今回は、悲しくて、悔しくて、苦しくて。
後悔ばかりだった。
もし、あのとき俺が油断していなければ。
叶を、相棒の強さを信じきれていなかった事が何より許せなかった。
叶を殺したのは、俺で。
居場所を無くしたのも、自業自得。
もう、無くなっていたとばかり思ってた涙が溢れて、止まらなかった。
俺が、初めて人間を好きになれたのに。
叶が、大事な相棒で、大好きな人だったのに。
俺は守れなかった。
死んだ叶を抱きしめていた。
教会を赤く染めてた炎はいつの間にか消えていた。
叶を殺したのは、実質俺だ。
だから、、、、
「俺を、殺せ」
初めて、そいつの顔を見る。
紫髪に緑の瞳をした、顔が整ったやつだった。
俺が生きてたって、業務なんてつまんねえし。
もう、どうでもよかった。
叶が生きてたら、俺は、、
視界が濁っていくような感覚になる。
あぁ、早く、早く、殺せよ、俺を、、大切な相棒も守れなかった俺をっ、、!
「、、、アハ、いいですねその瞳。僕、好きですよ」
「、、、は、?お前、何言って、」
「気が変わりました。僕は剣持刀也。虚空教の教祖とヴァンパイアハンターを担っています」
「な、なんで、」
「僕、虚空というものを信仰しているんです。その貴方の瞳。虚空に縋って、堕ちて、光がないそれが。僕の心を動かしました。だから、貴方は殺さない」
「なんで、!なんでだよ!!さ、さっき、俺を殺してくれるって、!!」
「殺したくないと、考えを変えたのは貴方ですよ?」
「あれは、ただの遺言でっっ」
「でも、考えを変えたのは事実ですから」
「それに、、、、まだ、死にたくないでしょう?」
「・・・」
そ、れは、そうだった。
まだ、死にたくはなかった。
もちろん、叶の場所に死んで行けるなら死んでもいい。
俺が、天国に行けるかわかんないけど。
「無言は肯定と受け取りますよ」
「、、、、俺、生きてて良いのか、、?こんな奴がっ、」
つぅー、と涙が頬を伝う。
「いいんですよ。虚空は全ての始まりです。全ては虚空に帰るのです。ですから、この手を取ってください」
戸惑う。
こんなに優しくしてくれたのは、叶以来だ。
叶という大きな柱を失った俺としてはそれが、救いに見えた。
これを見た天国の叶は許してくれるのか、、、?
でも、剣持刀也っていう奴が神々しくて、俺を許してくれてるような気がして、、
俺は、その手を取った。
「良い返答をありがとうございます。疲れたでしょう?僕が運ぶので寝ていていいですからね」
そう言われた瞬間、俺のまぶたは下がっていった。
「まさか、こんな良い拾い物ができるとは、、、、」
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ていう感じです!!虚空教にわかなので文言適当です!!に加えてこれも完結しておりません!!!
読みたいと思った方はコメントよろしくお願いします!!🙏
じゃ!!