「不可解なところがあるんだよね。」
運転中の社長が呟いた。
「なんですか?」
首を傾けた。
「依頼主が9歳なんだよ。」
9歳!?驚いてしまった。最低でも18歳だったのに、更新してしまった。最低年齢更新!
「9歳ですか…。若すぎますね。」
「しかも待ち合わせは家の近くの公園。」
追い打ちだった。
「え。なんか怖くないですか…」
「うん。これは僕の考えだけど、多分虐待されてると思うよ。」
「虐…待?」
虐待されている患者なんて初めてだ。
虐待を受けている子はほとんど声を発して叫んだり、泣いたりする。
やっぱりちょっと怖い。
「あんな小さい子だったら母親や父親に助けを求めるはず。なのに…彼女は…」
“彼女”その時点で女の子ってことがわかった。
社長はいつもより真剣な表情だった。
もしかしたら警察にお世話になるかもしれない。
今回の依頼は難しいかもしれない。
いつも以上に気合をいれよう。
私は背筋を伸ばした。
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