💜『悪い、◯◯さんと出掛けることになったから行けない💦』
🩷「マジか。やった」
深澤からのLINEを読んで、俺は密かにガッツポーズをした。深澤には一応残念がってるようなスタンプを返す。翔太はまだこのメッセージを読んでないみたいだ。俺はそのままスマホをポケットにしまった。
俺と翔太は、なんとなく友だち以上恋人未満の関係。深澤はそこらへん鈍いのでまったく気づいていない。
3人で買い物する時、深澤の目を盗んで、ちょこっと手を繋いだり、軽くキスしたりくらいはある。翔太もなぜか嫌がらないから、俺もどんどん大胆になっていた。
15分後。
待ち合わせ場所に、翔太が現れた。
いつも通り、シンプルな服装で、頭には深めのキャップ、ポケットに手を突っ込んで、風を切るように歩いて来る。昔のオラついていた時代のクセが未だに抜けないらしい。
今は中身はすっかり丸くなったし、意外に内面穏やかだからアンバランスで可愛いしかない。
🩷「よお」
💙「……おう」
キャップの下の顔がほんのり赤いのは俺の気のせいか?目元はあんまり見えない。
🩷「深澤来れないってよ」
💙「……そうみたいだな」
🩷「あれ?もしかして、意識してる?」
ビンビンに意識してる俺から、カマをかけてみた。翔太は顔を逸らした。
ビンゴ。
🩷「デート、楽しもうぜぇ?」
💙「お前、2人きりだからって変なことすんなよ?」
🩷「え?何のこと?」
そう言って、空いた手を握ってやると、早速動揺して離そうとする。
🩷「可愛い〜!」
💙「バカ!人が見る!!」
翔太はプライベートで人に注目されるのが苦手だし、俺らの正体がバレて関係が広まったりするのは俺も面倒だ。
手繋ぎくらいは許されても、それ以上は外では無理だしな。
🩷「買い物やめてうち来る?」
💙「え?」
🩷「そうと決まったらこっちこっち!」
俺は車を停めたばかりのパーキングに、翔太を連れて行った。
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どうなるんだー