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前の席では、数人の男子が楽しそうに会話をする。
クラスの中心人物でもある柳田の席に
自然と集まって話をしている。
その輪の中で、ひときわ輝いて見える人が居る。
松野一松。世にも珍しい六つ子の四男。
そして、私が好きな人。
少し癖毛で、それを気にしているのか
ワックスをしているが抑えきれていない。
少し眠そうな目を頑張って開いている。
よく愛想笑いをするが、それも好きだ。
兄弟と居る時に不意に見せる笑顔も好きだ。
私、千代木は松野一松のことが好きだ。
千代木とは松の木の別名である。運命かな。
そんな彼を、本を読むフリをして眺める。
私の日課だ。
正直難しい本は苦手だが、松野を見れるので
意外と嫌いではない。
暫くぼーっと眺めていると、予鈴が鳴る。
松野達が一斉に席に戻る。
今日も、一日が始まる。