コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
この後、この言葉のせいで窮地に立たせられることになるとは思いもしなかった
その後も、思い当たる場所は探してみた
やはり、と云うべきか。中也は其の何処にも居なかった。
「もう、死んでるのかも…」
敦君が俯きながら云う。確かに、ここ迄探して居ないのなら、其の可能性を疑うだろう。
『でも、私は何処かに居る気がする。』
「え?」
敦君がパッと顔を上げ不思議そうな顔をしている。
「…私、今声に出てた?」
「はい…」
…少々焦りすぎてしまった様だ
「大丈夫、気にしなくていいよ」
「…はい」
しまった、不安にさせてしまったようだ。
一度芽生えた不安が完全に消えることは無い。
此後の事でも考えていよう。
そんなことを考えながら歩いていると、数m先の床に何かがあるのが見えた。
「ねぇ、あれ、なんだと思う?」
「…落とし穴、ですかね?」
私が質問を投げかける。一番最初に返してくれたのは谷崎君だった。
「落とし穴…か」
確かに、少し掘った形跡がある。
「行ってみようか」
「はい」
その落とし穴らしきものに近づくにつれ、谷崎くんが真剣な顔になっていくのが見えた。
「…ここだけ土の色が違いますね」
「おや、本当だ
…敦くん、ちょっとここ掘ってみないかい?」
「…え?」
敦くんが首を傾げる、私の言ったことがわかっていないようだ
「そのままの意味さ!ほら、犬がよく宝物を隠す時に土を掘るだろう?あんな感じにさ!」
さっきよりもわかりやすく伝えると、敦君が一瞬嫌そうな顔をした。
「…いや?」
可愛子(かわいこ)ぶりながら敦君に聞く。
「…..犬みたいに扱われるのは少し…..ですがまぁやりますよ
お役に立てるようですし」
「ありがと~♪」
「…!」
敦君が掘ってくれた穴を見た谷崎君が驚いている。
気になって私も谷崎君!の後に覗いてみた。
「…これは…!」