「ご飯は好きですか?」
自分はご飯の味というものを知らない。
理由なんて考えたこともない。
でも、やっぱりご飯は美味しいのだろうか。
「美味しい」というのは幸せなことだという。
、、、「美味しい」を知らない自分は幸せではないのだろうか。
分からない。
でも、生きるのには飽きてしまった。
普通は飽きないらしい。
じゃあ、幸せではないんだな。
いつも同じことを考えていた。
退屈なだけなのかもしれない。
そうだとしたら、、、それは必然だ。
白い部屋 白い人
いつまでも寝ている自分
こんなの退屈にならないわけないじゃないか。
今日はいつもと違った。
自分に、白い世界に腹が立ったのだ。
「美味しい」を知りたくなったのだ。
変わらない日常を変えたくなったのだ。
だから、行動してみることにした。
ご飯が流れてくるであろう透明な筒を
首にくっついている筒を
無理矢理引きちぎった。
息が苦しくなった。
なんで、どうして。
ご飯を食べないだけでこんなに苦しくなるのだろうか。
分からない。分からない。
でも、これで「美味しい」が知れるのかもしれない。
嬉しくなった。自分の未来が楽しみになった。
起きれなかった体で起きて
歩けなかった足で歩いて
自分の未来に向けて
走っていくんだ。
??「どういうことだ。」
??「信じられない。」
??「いったい誰が、首のカテーテルを抜いたんだ!」
END-1 「植物だった人間」
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