「海春、この指輪を見てくれないか」
ベンチに隣り合って座っていたレインが、おもむろに、右手にはめていた手袋をするりと取ってみせた。
男性らしい節ばった手が覗いて、その右の薬指に、鈍い銀色をした重厚感のある指輪がはめられている。
その指輪は、一見して相当の値打ちのあるものだとわかるほどに、指輪の中心部に精巧な絵柄が彫り込まれていた。よくよくその模様を観察してみると、両翼を広げた鷲の紋章のように見える。
もしかして、王族の証かなにかなんだろうか。
わたしの目が指輪に向いていると、彼はそれをためらいもなくはずして、ずいとこちらに差しだした。
「どうぞ」
「え、い、いいの?」
まさか触らせてもらえるとは思っていなかったわたしは、驚いて聞き返す。
レインが普段から身につけているものなのだから、大事なものなんじゃないだろうか。
差しだされた指輪を前に、受け取ることもつっかえすことも*******************
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