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佐久間が岩本を好きだと気がついたのはいつだろう?
気づけば好きになっていた。
岩本の振り付けが大好き。
楽しい。
でも、この気持ちは間違っている。
佐久間は可愛い女の子じゃない。
岩本が好きになる可能性はない。
封印することにした。
岩本を見ている。
ちょっとした心の割れ目から「好き」の気持ちが溢れる。
慌てて蓋をする。
今は練習中。
集中しなければ。
でも、佐久間の心には小さな割れ目がいくつもある。
そこから岩本が「好き」という気持ちが次々と溢れてくる。
辛くなって家で泣くこともある。
岩本は女の子を好きにならなきゃいけないんだ。
佐久間を好きになることはない。
そうでなければならないんだ。
なのに、「好き」が溢れる。
練習してても泣きたくなる。
わざと騒ぐ。
目黒と付き合っている、渡辺を揶揄う。
嫌な顔されても、仕方ない。
ある日、目黒が言う。
目黒ー佐久間くん、苦しいの?
佐久間ー何の事?
目黒ー翔太くんが言ってた。
佐久間ー俺は・・元気・・苦しくない。
目黒ーそれが本当ならいいけど。
佐久間ー嘘じゃない。
目黒ー俺達でよければ相談して?
佐久間ーありがと。
佐久間は目黒と別れてから気がついた。
「俺達でよければ」って言った。
目黒と渡辺のことだ。
佐久間は気にしすぎだろうか。
あの2人のような内容で苦しんでいると思われている?
実際そうなのだが、言ってどうなる?
問題は岩本の気持ちだ。
佐久間自身が好きと打ち明けるのは構わない。
が、岩本には関係ない話だ。
岩本に伝わってはいけない。
心がまたヒビ割れていく。
割れ目から、「好き」の気持ちが溢れる。