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佐久間くんへの罪悪感と、触れてしまった記憶とを抱える俺に出来るのは、メンバーとして適切な距離を保つことだけだった。
本当は俺だって、佐久間くんの側にいたい。
あんなことがなければ、きっと今でも上手に片想いを隠して近くにいたはずだから。
でももう、今はそれも出来ない。
だって消えないんだ。佐久間くんの肌に触れた感触とか、合わせた唇の柔らかさとか、佐久間くんの上げる高くて甘い声とか。
でも一番は、罪悪感はあるくせにそれで高揚してしまいそうな自分の馬鹿さ加減だ。
こんな俺を知られたくない。佐久間くんに不快な思いをさせたくない。
そう思ったら、距離を取るしかなかった。
これまでにない遠い距離に、メンバーも不審な顔をしてる。
佐久間くん本人も違和感を持ってるみたいで、たまにじっと見られることがある。
分かってる。不自然だしわざとらしいし、噂になってもおかしくないかもってことは分かってる。
だけど、他にどうしたらいいの?
ちゃんと距離を取らなかったら、いつまでも俺、佐久間くんを好きな気持ちも触れたいって焦がれる気持ちも消せないんだよ…。
佐久間くんへの『好き』がこんな風に後ろめたくなるくらいなら、触れたくなかったよ。
太陽みたいなあなたを、好きでいるだけで幸せだったはずなのに。
「めめ、お前さ…佐久間と何かあった?」
「…何も、は通用しないよね…」
苦笑しながらそう言うと、ふっかさんが「当たり前だ、バカ」とため息を吐いた。
分かってるんだ、ごめん。
だけど自分ではどうしようもない。
「…俺が佐久間くんの信頼を裏切っただけ。だから、なるべく側にいない方がいいと思って…。何があったかはごめん、話せない」
「そこは無理に聞くつもりはないけど…お前本当に真面目な」
今度はふっかさんが苦笑する。
真面目なだけなら良かったんだけどね。一途に想い過ぎた果てに暴走するなんて、自分でも思わなかったよ。
「近付くなって、佐久間に言われた?」
「…佐久間くんは、そんなこと言わないよ。いつも通り笑ってくれる。だから、それが余計に苦しい」
「あー、だからか」
だからって何? 何のことだろう。
ふっかさんの言ってる意味がよく分からなくて首を傾げると、少し考えてから言いにくそうに口を開いた。
「佐久間がさ、お前のこと気にしてたから。めめの言い方だと佐久間が怒ってるように取れるけど、あいつはずっとお前のこと心配してるよ」
ふっかさんの言葉に驚くと同時に胸が苦しくなる。
心配なんてしないで欲しい。いっそ嫌ってくれてもいいのに。
佐久間くんのそういうところが好きで…だからいつまでも諦められないんだ。
こんな俺にも優しさをくれるって分かってるから。
黙ってしまった俺に、ふっかさんがまた小さくため息を吐く。
「お前らはさ、一回ちゃんと話した方がいいと思うよ」
ふっかさんのその言葉に、俺は答えることが出来なかった。
だってさ、俺にそんな資格があると思えないよ。
「じゃあな」って手を振って去っていくふっかさんを見送りながら、ぐっと唇を噛んだ。
何を話したところで、俺の一方通行な想いで佐久間くんに迷惑をかけてしまったことは変わらない。
想いを押し付けて触れてしまった事実を償うには、もう二度と触れないように離れることしかないから。
日常の触れ合いすら、全部無くして。
「…俺、どうしようもないなぁ…」
それでも身体に染み込んだ、佐久間くんの甘やかな温もりと香りはもう一生忘れられそうになかった。
コメント
5件

切なくて切なくてとても良い🩷です
💜さんきたーー!!ここぞという時の頼れる存在(ㆆᴗㆆ)♡ 片想い→両想いになる様子を楽しみにしています♡
うわあああん、めめの心の内が痛いくらい伝わってきたよ…!!😭💔 触れた感触や声を覚えてるのに「もう触れちゃいけない」って自分で線引いて距離置くの、苦しすぎる…。ふっかさんの「心配してるよ」って言葉にさらに罪悪感が深まるループ、マジで胸がギュッてなったよ…。太陽みたいな佐久間くんを好きでいるだけで幸せだったのに、って切なすぎる…!! でも話し合う勇気が出ない気持ちも分かりすぎるんだ…水瀬さん、このもどかしさの描写がエモすぎるよ!!🌧️💕
雫
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うさみみ
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