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『ここ、何処だよ?!』
彼は森の中にいた。其処は深い、深い森であった。生き物の気配すら感じられぬその場所に、彼はただ1人立ち尽くしていた。陽の光の侵入を拒むように空を覆う木々は、どこか陰鬱な雰囲気を醸し出している。彼は暫く呆然としていたが、何処からか聞こえてくる鴉の鳴き声にハッと我に帰った。ふと思い出したようにD.D.D.を取り出すも、圏外の文字を見ると、深くため息を吐いた。小さく舌打ちをしつつ、彼は辺りを見回す。ここにいても仕方がない。彼が歩き出そうとしたその時、目の前を黒い何かがよぎった。