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泳げない鮫
こさめは、いつも鮫のぬいぐるみを抱いている。
「ねえ、なつくん。鮫って、泳ぎ続けないと死んじゃうんだって」
「……知ってる」
「でも、こさめの鮫は違うよ!泳げなくても、生きてていいの。だって、なつくんが一緒にいてくれるから」
ふざけてるのか真面目なのか、分からない。でも、こさめはずっと本気だった。
なつは黙って、こさめの頭を撫でる。
「お前……ほんとにバカだな」
「うん。なつくんのバカにならなれるよ!」
なつは笑わない。ただ、少しだけ長く、こさめの髪に触れていた。