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え、待って天才すぎる、…水桃はしにますって、!もうヤダ、尊い、
「ね、お兄ちゃん」
俺が部屋でスマホをポチポチしていると義弟である、ほとけ(俺はいむって呼んでる)が部屋に入ってきた。
いむは、再婚で出来た弟だ。
仲は、普通の兄弟くらい。……のはず。
「あのさ…」
なんか言いづらそうに、もじもじしている。
「どうしたの?」
安心させるように、目を合わせて微笑む。
すると、いむは決心したかのように口を開いた。
が、いむが発した言葉は俺の予想外すぎた。
「メイド服着て……!」
「…………はぁぁああぁ!?」
メイド、 服?meido?冥土?
「え、は、え?なんで?」
「メイド服のイラスト書きたくて……、 被写体がお兄ちゃんしか居ないから!」
いむは、絵を描くのが趣味だ。
だとしても、なぜ俺?なぜメイド服?!
男のメイド服のどこに需要がある?!
「ね、お願い!!!!」
めちゃ綺麗にいむがお辞儀をする。
そこまですんの…
「……それ俺じゃないとダメなの?」
「だめっ!!!」
食い気味いぃ……
……まぁ、せっかくの弟のお願いだし……
でも、着たくない”……
ぐるぐると思考が巡る。
「ね、お兄ちゃんっ…!」
いむのくっそかわいい顔面がずいっと近づいてくる。
「……分かったよ!着るよ!!!」
何言ってんだ俺はあああああ!!!
「ほんと!?じゃあこれ!!」
目を輝かせ、メイド服が入っているであろう紙袋を渡して部屋を出て行ったいむ。
(…着るしかない、かぁ……)
もらったメイド服を広げる。
スカート短っ、
これちゃんと隠れんの……?
『おに〜ちゃ〜ん、はやく〜!』
扉の向こうから、いむの声が聞こえる。
ぅ゙……ほんとに着るのか……
とりあえず、上だけ着てみる。
「いや、似合わん過ぎやろ」
めっちゃフリフリしてるし……
……まぁ、それは良いとして、(よくないけど)次の問題はスカート。
「……ッ//」
試しに履いてみたが、ヤバい。
めっちゃスースーするし、色々見えそう……
「ね、ねぇ、いむッ……これやm」
「やめよう」と言おうとした瞬間、バンッと勢いよく扉が開く。
「着れた?!」
またもや、目をきらきらと輝かせているいむ。
そんな顔すんなよ、やめようとか言えないじゃん。
とりあえず、スカートの裾を押さえ、部屋の角っこに行く。
ふと、 いむと目が合った。
「………」
え、何か言ってよ。
お兄ちゃん恥ずかしすぎて死ぬよ?
「あの……描くならはよしてもろて……//」
「……あ、ちょっと待ってて!」
ドタドタといむが画材を取ってくる。
てか、さっきの間なに?
「あ、で、お兄ちゃんぺたん座りして!」
「あ、はい…」
うわ、スカート際っきわ。
俺がポーズ(?)を決めるといむは絵を描き始める。
……これ、新手のいじめかな?
それなりに際どいメイド服着せられて、それを弟に見つめられるんだよ。拷間レベルやん。
それからいむは集中してるのか、一言も発さなかった。
「よし、出来たぁ〜!!!」
はぁ、疲れた……
同じ体勢キープしてんのって結構キツいんだよな……
「うん、…お兄ちゃん……かわいい……」
「はッ?」
「ね、お兄ちゃん次、これ着てくれない?!」
いむに渡されたのは、制服(女用)だった。
着れるかこんなもん!!!
と、言おうとしたが「別にいいかも…」と思ってしまった自分もいた。
ヤバいな。俺。
「ね?お兄ちゃんっ、」