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創作@ゴミ絵師
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3頁目
お姉ちゃんの受験票
「絶対、受かるから」
姉ちゃんはそう言って笑った。
小さい頃から頭良くて、優しくて、
俺の自慢だった。
でも家は貧乏だった。
母さんは夜まで働いて、
父さんはもういない。
だから姉ちゃんは、
「国立行けばお金かかんないし!」
って笑ってた。
本当は行きたい私立あったくせに。
俺は知ってた。
机の引き出しに隠してたパンフレット。
何回も見てたから。
でも姉ちゃんは一回も「行きたい」って言わなかった。
受験の日。
姉ちゃんは朝4時に起きて弁当作ってた。
「なんで受験する側がお弁当作ってんの」
って聞いたら、
「だって母さん寝れてないし」
って笑った。
その笑顔が、
なんか無理してるみたいで嫌だった。
駅まで送る途中。
雪が降ってた。
「寒っ」
って言いながら姉ちゃんは白い息を吐く。
改札前で、
「じゃ、行ってくる」
そう言って手を振った。
それが、
姉ちゃんと交わした最後の会話だった。
事故だった。
受験会場へ向かう途中、
信号無視の車が突っ込んだらしい。
病院着いた時には、
もう遅かった。
母さんは崩れるみたいに泣いてた。
俺は泣けなかった。
意味がわからなかった。
昨日まで普通にいたじゃん。
朝、笑ってたじゃん。
なのに、
なんで冷たくなってんだよ。
葬式の日。
姉ちゃんの机を片付けてたら、
受験票が出てきた。
端っこが少し折れてた。
その裏に、
小さい文字が書いてあった。
『もし受かったら、母さん楽させる』
その下に、
さらに小さく。
『弟には好きなことさせてあげたい』
そこで初めて、
涙が出た。
止まんなかった。
声出して泣いた。
姉ちゃんはずっと、
自分のためじゃなくて、
俺たちのために頑張ってた。
数日後。
郵便が届いた。
姉ちゃんの第一志望大学からだった。
母さんは震える手で封筒を開けた。
中には、
『合格通知書』
母さんはそれ見た瞬間、
声も出さず泣き崩れた。
俺はその紙を握りながら、
ずっと考えてた。
姉ちゃん、
これ見たかっただろうなって。
その夜。
姉ちゃんの部屋で一人で泣いてたら、
机の上にノートがあった。
最後のページだけ、
文字が書いてある。
『もし私がいなくなったら』
心臓が止まりそうになった。
震える手で続きを読む。
『弟へ』
『あんたは優しいから、きっと自分責めると思う』
『でも絶対ダメ』
『姉ちゃんね、あんたの歌めっちゃ好きだったよ』
『こっそり部屋の前で聞いてた』
『だから続けな』
『いつか、誰かを救える人になれるから』
涙で文字が滲んだ。
最後の一行。
『あと、母さんのことよろしく』
『大好きだよ、弟』
その瞬間、
俺、初めてちゃんと声出して泣いた。
喉潰れるくらい。
何回も、
「会いてぇよ……」
って叫びながら。
——それから数年後。
俺はライブハウスのステージに立っていた。
まだ売れてない。
客も少ない。
でも最前列には、
母さんがいた。
曲が終わったあと、
俺はマイクを握って言った。
「この曲は、俺の姉ちゃんに作りました」
照明が眩しくて、
客席はよく見えなかった。
でも、
一番後ろ。
白い服着た誰かが、
泣きながら笑ってる気がした。
コメント
1件
うわあああん読んだ😭💦💦 もう最初から最後まで涙腺崩壊やばいよこれ…「なんで受験する側がお弁当作ってんの」って笑う姉ちゃん、強すぎて辛すぎる…。 最後のライブで「一番後ろ、白い服着た誰かが泣きながら笑ってる気がした」の一文で完全に持ってかれた。姉ちゃん、見に来てくれてるよ絶対😭💔 弟くんがちゃんと歌を続けてるところ、姉ちゃんの想いが全部報われてる感がしてそこも刺さった…。 はいびすかすさん、胸がぎゅっとなるエピソードをありがとうございます!!続きも絶対読みます🌸✨