テラーノベル
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#へたくそだけど許して
🦍(独身)↔🍆御本人様とは関係しません。
あくまでもフィクションです。
ご了承下さい。
今回は🦍🍆さんのダブル視点となります。
(🍆さん視点)
「…ぅうん……ん?」
重たい瞼を押し上げると、窓の外は銀色にけむっていた。時計はもうすぐ正午を示そうとしている…。
カーテンの隙間から差し込む光がやけに薄暗い。昼前だというのに、部屋の空気がしっとりと濡れていて、窓ガラスを指先で叩くような雨音が部屋の静寂を際立たせていた。
「…え?…雨?!……マジかぁ…」
今日の午後からドズルさんと散歩を兼ねて、桜が満開になってる公園でお花見をしようって約束していたのに…。
この雨でせっかく咲いた桜の花も散ってしまうよな…花見は無理か…
「あーぁ…残念…」
せっかくお弁当を作って2人で楽しもうって昨日の内から色々準備してなのに…どうしよう?
んー…、勿体ないよなぁ…。
とりあえず…弁当だけでも作るか!
俺はベットから起き上がり、上着を羽織って台所へ向う。
炊飯器からはふんわりと香る炊き立てのご飯。まるでお日様をいっぱいに浴びたような香ばしい匂いに、確かな満腹感を予感させる。
「よしよし!できてる。じゃあご飯を蒸らしておいて…先に卵焼き作るか」
俺は冷蔵庫から卵を取り出して、ボウルの中で卵が黄身と白身の境界をなくすようにかき混ぜた。
溶きほぐされた黄色い液に砂糖と塩を少し加える。あっ!確か…うちの母親は白だしを少し入れてたよな?と思い出しながら加えてみた。
熱した四角いフライパンに薄く油をひき、 卵液を流し入れるっと。
『じゅわ』という音と共に、部屋中に香ばしい匂いが放たれる。
熱いフライパンの上で黄色い生地が幾重にも重なって、厚みを増していく。ちょっとだけ成形して…っと
「はい完成。上手くない?俺!」
綺麗に巻けた卵焼きをまな板に置き、数カ所に包丁を入れると…ふわりと湯気が立ち上がり、その断面は美しい黄色の層を見せた。
「よしよし!いい感じ」
出来上がった卵焼きをお皿に乗せる。
「じゃあ…次はウインナーでも焼くか」
冷蔵庫からウインナーが入っている袋を取り出し、 先程使ったフライパンに更に薄く油をひき、ウインナーを放り入れる。
何度も表面を転がしながら、熱を帯びた皮が張り詰めていく。やがて耐えきれなくなった皮が『パチン』と小さく爆ぜ、透明な脂の雫が溢れ出した。
「…美味そう…1個つまみ食い…」
『パキッ』と鼓膜にまで響く快音と共に、閉じ込められていた熱い脂が口内で弾け飛んだ。
「うまっ!」
ハフハフと声を漏らしながら喉の奥へ流し込む。 残りのウインナーは皿に載せて…っと
「いいね〜♪次!」
再び冷蔵庫の中からベーコンと、野菜室からレタスとアスパラを取り出す。
鍋に水を張って沸騰するまで沸かす。その間にレタスの芯の周りに指を添え、一枚ずつ解くように剥がす。
『パリッ』と小気味よい音が静かな台所に響き、軽く水で洗い流してザルに入れて水気を取っておく。
「まだお湯沸かないよな…じゃあその間に、アスパラやっとくか!」
アスパラを洗い、半分くらいまで皮を剥いた後、4等分に切って、 ベーコンの上に切ったアスパラを2〜3本置き、包むように巻いたら爪楊枝で止めるっと。
熱したフライパンに油をさして、アスパラベーコンの表面が焼けたら塩コショウして完成 って…あ!フタして蒸らすの忘れた。
急いで蓋をして火を弱め少し蒸らす。
「はい!今度こそ簡単アスパラベーコン巻きの完成ぃ!」
アスパラベーコン巻きも皿にのせて…っと。おっ!お湯が沸いたな…。
沸いた鍋の中に数枚のレタスをくぐらせ、軽くしんなりしたらキッキンペーパーで水気を取って、 そこに昨日の夜作り置きしてたポテトサラダを小分けにして乗せて…レタスで巻く。
「ポテサラのレタス包みもできた!」
レタスで包めば、手は汚れないし…掴みやすいからポテサラを溢す事なく食べれるってネットで見て、試してみたけど…中々いい感じにできたんじゃない?
俺が全てのおかずが皿に載せ終わると同時に、ドズルさんが部屋から出てきて…台所に向かって来た。
「んー…いい匂いですね。何作ってるんですか?」
「ふふっ…ぼんじゅうる特製お弁当!」
「えぇっ!マジですか?!」
ドズルさんは興奮しながら俺の隣に来て…出来上がったおかずを嬉しそうに眺めていた。
「本当はね…、ドズさんとお花見しながら一緒に食べようと思って、昨日の夜から準備してたんだけど…」
「……」
「…さすがに雨降ってるから、お花見はダメになっちゃったね…。でも、せめて気分だけはって思って作ったんだけど…後は、おにぎり作って終わりかな?」
「…ぼんさん…僕…幸せです…」
「大袈裟すぎでしょwww 簡単なものしか作ってないから…あまり期待しないでね」
「いいえ…スゴく楽しみです」
ドズルさんは俺をじっと見つめながら頬に手を添えて唇に『チュッ』とキスをされた。
「……///」
「僕も手伝いましょうか?」
「あれ?仕事は?」
「朝礼とミーティング1つ終わらせましたよ。あと編集長と少しミーティングして終わりですね」
「じゃあ、ミーティング終わらせてきてよ。その間におにぎり作っちゃうから…ね」
「分かりました。ちゃちゃっと終わらせます!」
と言い残しながら上機嫌で自分の部屋へ戻って行くドズルさん。…カワイイ
さて、おにぎり作るか!海苔とドズルさんが好きな明太子を準備するか…
俺は明太子を食べやすいサイズに切って、お茶碗に出来立てのご飯をよそう。真ん中に明太子を入れて…手を少し水に濡らした後、軽く塩をまぶした掌で、お茶碗から中のご飯を取り出して包む…。
『キュッ、キュッ』とリズムよく握って最後に海苔を巻く。 それを何度か繰り返して…はい完成!
「とりあえず…タッパーにおかずとおにぎり入れて…っと」
形になった弁当を見て、我ながら良い出来だと上機嫌になった。
『ドズルさんが来るまで洗い物を済ませておこうかな』
使ったフライパンや包丁等を洗い終わって、リビングのテーブルにお弁当とお茶、箸、取り皿を準備した。
一段落済んでソファに座っていたら、なんだか…ウトウトしてきた……。
(🦍さん視点)
「じゃあ…はい、宜しくお願いします。また報告下さい。はい…お疲れ様です」
んー…、やっと編集長とのミーティングが終わった。早くぼんさんとランチしたいのに…時間掛かったな…
ようやく仕事を終え、ぼんさんの待ってるリビングへ向う。
「ぼんさん、お待たせしました」
ソファに座っているぼんさんに声掛けをしても返事がない…
近づくと…ぼんさんは、背もたれにもたれかかった姿勢のまま居眠りをしていた。
昨日の夜から準備してたって言ってたし、一生懸命弁当を作ってたから…疲れちゃったんだろうな…。
俺はそっとぼんさんの隣に座り、テーブルにある弁当を見つめた。
『嬉しいなぁ…僕の為に弁当作ってくれるなんて…ホント幸せだ…』
ふとぼんさんを見ると、規則的に寝息をたてていた。
『ぼんさんの寝顔…好きなんだよな… 』
乱れた前髪をそっと直してあげようと触れたら…『う…うん?』と目を覚ましてしまった。
「あっ…スミマセンぼんさん…」
「……ううん/// 寝ちゃってた?」
「…はぃ…」
「ゴメン。あ!お弁当できたよ。ドズさん食べる?」
とニコッっと俺に微笑みかける。
「食べたいです!」
「…味の保証しないよ」
「イエイエ!ぼんさんの作ってくれたものは全て美味いですから」
「期待値高すぎんのよwww」
そう言ってぼんさんはタッパーの蓋を開け、俺の前に箸と取り皿を置いた。
「ドズさんがお気に召すか不安だけど…どーぞ」
「頂きます!」
ぼんさんの作った卵焼きは甘すぎず、優しい味でめっちゃ美味かった。
「卵焼き…どう?」
不安そうに俺を見つめるぼんさん。
「めっちゃ美味いです!僕この卵焼き大好きです」
「よかった…他も食べて?」
とても嬉しそうにしているぼんさんを見て、俺も幸せな気分になる。
アスパラベーコンやレタスに包まれてあるポテサラも食べやすくてスゴく美味かったし、ウインナーも口の中で皮が弾けた時の脂が頬を緩ませる…。
おにぎりに関しては、俺の好物の明太子が入ってて…貴方はどこまで俺の心と胃袋を鷲掴みにすれば気が済むのか?と問いたくなるほど美味しかった。
俺はぼんさんの作ってくれた弁当をバクバク食べていると、ぼんさんは微笑ましそうに俺を見つめていた…
「ん?…食べないんですか?」
「いや…食べるよ。ドズさんが美味しそうに食べるから嬉しくて…」
「本当に美味しいですもん。そりゃぁ食も進みますよ」
「ふふっ…ありがと。じゃあ俺も食べようかな」
そう言って、ぼんさんも自分の作ったお弁当を食べ始めた。
「この卵焼きって…ぼんママ直伝の味付けですか?」
俺がおにぎりを食べながら尋ねると…
「似てるね。俺は見様見真似で作ったから、完璧にこの味付けって訳では無いけど…大体こんな感じかな」
「へぇ〜」
「ふふっ…ドズさん、お口にお弁当つけてどこ行くの?」
俺の口角につけた米粒を、指先で取ってくれて、その米粒をそっと食べるぼんさん。そんな些細な仕草に、とても温かな気持ちになる…
「ぼんさんと一緒なら、どこでも行きますよ」
と目を細めて呟くと、『ふふっ』とまた笑顔を溢す貴方。…幸せ過ぎる…
そうこうしている内にお弁当を全て平らげた俺達。
「ご馳走様でした。ホント美味しかったです」
「そぉ?良かった」
食べ終えた後は、少し重くなったお腹を抱えて、二人の肩が触れ合う…。
お茶の入ったコップを交互に飲みながら、俺達は午後の予定をとりとめもなく話していた時だった。
「まだ…雨降ってるよね。桜…散っちゃったよね…お花見したかった…な…」
悲愴感漂うぼんさんの肩に腕を回し、引き寄せると…貴方の頭が躊躇いもなく俺の肩にのり、ストンと微かな重みが加わった。
そんな無防備で愛らしい反応が嬉しくて、貴方のさらさらとした髪を指先で撫でると…ぼんさんは少し照れたように頬を染め、嬉しそうに視線を伏せる。
「ぼんさん…来年行きましょう」
「うん…来年一緒に行こう…ね」
指先から伝わる愛情が、静寂に包まれた部屋を温かく…甘い幸福感で満たしていく。
「はい…約束ですよ」
「うん…その時は、またお弁当作るね」
「フフッ…来年が待ち遠しいです」
俺は貴方との約束を忘れない様に…シャンプーの香りが漂う髪の毛に、心からの愛おしさを込めてキスをした。
『嬉しい』と語る瞳が揺れ、もう一方の俺の手を確かめるように優しく添える。
『必ず一緒に行こう…』
その柔らかな感触に、貴方の静かな高揚が滲んでいるかのようで…その手を握り返す。この幸せな一時がこの先も続く様に……。
コメント
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温かい素敵なお話でしたぁぁ☺️✨✨めっちゃキュンとしました😊✨🦍🍆の雰囲気が本当に良いぃ...(*´∀`*)