テラーノベル
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#溺愛
#再会
#ワンナイトラブ
チャペルでの「念入りな確認作業」を命からがら終えたのも束の間。次に僕を待ち受けていたのは、ドレスの試着という名の新たな試練だった。
本来、新郎は外のソファで待つものだが、カーテンの隙間から白石さんが顔を出し、困ったように僕を呼んだのだ。
「陽一さん、ちょっと……手伝ってもらえますか?」
「え、でも、スタッフさんに頼んだほうが……」
「いいから。……早く来て♡」
強引に腕を引かれ、僕は厚手のカーテンに囲まれた、狭い試着スペースへと足を踏み入れた。
息を呑む、とはこのことか。 溢れんばかりの白いチュールとレースの波。その中心に、彼女は立っていた。純白の生地が、彼女の抜けるような白い肌をさらに際立たせている。その内側に潜む猛獣の牙など、露ほども感じさせないほどに。
「どう……?」
「……すごく、綺麗だよ」
ありきたりな言葉しか出ない僕に見惚れる暇も与えず、彼女は満足げに目を細め、僕の首に腕を回して密着してきた。
「言葉だけじゃ、足りないです。……このドレス、背中のファスナーが少し甘い気がするので、陽一さんの手で『不備』がないか、確かめてもらえますか?」
(……ちょっ、近い! ドレスのボリュームで逃げ場がないぞ!)
「スタッフさんが次のドレスを持ってくるまで……ちょっとだけ、イチャイチャしよ♡」
至近距離の熱を帯びた吐息。純白のドレス越しに押し付けられる、胸元の抗いようのない柔らかさ。さらに、逃げようとした僕の耳を、彼女の唇が甘く、容赦なく食んだ。
(……っ! どこからどう見ても完璧に清楚な花嫁さんだろ! なんで中身は僕を捕食する気満々の猛獣なんだよ! これは試着じゃない、僕の理性の限界を測る耐久テストだ……!)
その時──
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