←第1話 michiruさん
AM8:00
翔太は起きるなり、ぶつぶつと怒っていた。
💙「昨夜あんだけ激しくヤッといて、朝からもよくもまあ…」
💛「…気持ちよかったくせに」
💙「あ?何か言ったか?」
トーストを齧って、リスのようにもぐもぐと咀嚼する翔太のほっぺたにチョコレートクリームが付いたままなのを掬って、舐める。
💙「あっ…」
付き合いだしたばかりでもないのに、翔太はこんなことにいちいち反応するから一緒にいて飽きない。
ついつい構いたくなってしまう。
💙「あちっ!!」
恥ずかしいのを胡麻化そうと慌てて口に持って行ったカフェオレが熱すぎて今度は舌を火傷までしている。
ドジっ子か。可愛すぎるだろ。
💛「今日何して過ごす?」
💙「誕プレ探すって言ったろ」
💛「出掛けるってこと?」
💙「いや、めんどくさいからネットで探す」
💛「ふーん」
食事を終えると、翔太が勝手に俺のノートPCを持ち出し、ソファ前のローテーブルであれこれ検索をしている。俺は片付け物を終えて、手持ち無沙汰になったから、翔太の後ろから仕方なく画面を覗いていた。
💛「翔太ぁ」
💙「ん?」
💛「あとどれぐらいかかる?」
💙「んー」
💛「ねえ」
💙「……」
💛「ねーえ!」
💙「うるさいなあ」
💛「それ、今日じゃなきゃいけないの?」
💙「もうちょっとだから。待ってろ」
翔太がちっとも構ってくれないので、俺は暇つぶしにふっかに電話を掛けた。
なんてことない話で盛り上がり、あっという間に時間が過ぎ、気が付いたら、1時間以上も経っていた。
慌ててリビングに戻ると、またしても翔太がぷりぷり怒っていた。
💛「終わった?プレゼント探し」
💙「15分で終わった」
💛「早」
💙「……何してたんだよ」
💛「ふっかと電話してた、ごめん」
💙「お前が急げって言ったんだよな?」
💛「だから、ごめんて」
すると、翔太はスマホを取り出して、どこかに電話を掛け始めた。
💙「あー。もしもし、ふっか?俺、俺」
仕返しのつもりなのか、翔太は、俺が電話を切ったばかりのふっかと世間話を始めた。
付き合っていることはふっかには言っていないので、声を出すわけにもいかない。ましてや無理やり切ることもできない。
俺は、翔太の隣りに座り、無防備な耳に息を吹きかけた。
💙「ひゃ…!」
睨まれるが、せっかく一日一緒にいられるというのに、こんなつまらないことで時間を無駄にしたくない。
ふっかの『どうした?』という声が聞こえてきた。
それでも電話を切る気配が一向にないので、俺は翔太の耳を噛んだ。
💙「やめ……」
💜『おい、誰かいるのか?』
💙「いや、うるさい蠅が飛んでる」
ムッとして、翔太にキスをした。
慌てた翔太の指が滑って操作したスマホがスピーカーに切り替わり、床に落ちる。
💙「んっ……むぅ……」
💜「おーい、なべー?」
💙「ひか……!」
怒って声が漏れた翔太の口をまた唇で塞ぐ。腕を伸ばして、電話を切った。
折り返しのふっかからの着信を息を止めて2人で無視し、電話が静かになると、ホッとした顔の翔太にまたキスをした。
💛「待たせてごめん」
💙「………ふん」
キスの後の翔太の顔が満更でもなさそうだったので、この後は仲良く過ごせるだろう。
午前のミッション:△
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コメント
2件
ふっかさんちょっと不憫で笑う😂💜