テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
-–
第三章 一年生の放課後 🌸
授業が終わると、教室には一年生だけが残った。
目黒蓮は窓際に座り、外の桜をぼんやりと眺めている。
向井康二はノートを整理しながら、ラウールに声をかけた。
「ラウール、今日の数学、難しかったな」
「うん、なんとかついていけたけど、めっちゃ疲れた〜」
ラウールは元気よく笑う。
蓮は二人のやり取りを見て、少し微笑んだ。
休み時間になると、三人は教室の隅で机を寄せ合って話す。
「次の体育、何するんだろ?」
「多分、サッカーかバスケじゃない?」
「俺、運動音痴だからなぁ…」
ラウールが少し不安そうに言うと、康二が肩を叩いて励ます。
「大丈夫やって!みんなでやれば楽しいって」
その後、廊下に出てみると、教室の外は放課後の光に包まれていた。
三人は階段を降りながら、今日の出来事や明日の予定の話を続ける。
笑い声が廊下に響き、静かな学園生活の一日がゆっくりと過ぎていった。
――一年生の日常は、まだ始まったばかり。
少しずつ、友情と絆が育まれる時間が、今日もまた静かに流れていった。