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(SEITO視点)
「こんちは〜、」
今日も、朝一から担当の仕入先を回っていた。
午前中の仕入れ先はほぼ配達が終了して、ここが最後の仕入先になる。
キラキラと眩しく光る海、じわじわと熱さを感じる砂浜。
そこに佇む、海の家。
毎回、俺はわざとここを最後に来るようにしている。
俺にとっては、ここは仕事というより、お楽しみだからだ。
「あっ、セイちゃ〜ん♡おはよ〜♡今日もほんまにかっこええなぁ?♡」
「おはよ。そう?ナオもかわええよ。」
「ほんまに?もう!/セイちゃん!♡」
ナオは俺が来ると一目散に駆け寄ってきて、こうして甘えるように俺を褒めてくる。
それを褒め返して、ナオが照れるまでがお決まりの流れのようになっている。
ナオは、俺が初めてここに来た日から、すぐに優しく受け入れてくれた子だ。
最初見た時は顔の綺麗さに圧倒されて、性格が予想できへんやったけど、喋ってみると愛嬌全開に接してきて、すぐに仲良くなったのを覚えている。
「お、セイト来とったん。おはようさん、今日はちゃんと汗拭いてきたか?笑」
「っ、おん、カイリュウおはよ。汗は拭いても出るねん、諦めろや。笑」
「しゃあないな、まぁ夏やし許したるわ。笑」
挨拶をした瞬間から、いつもの軽快なトークを交わす。
カイリュウは、初めて会った時は少し近寄りがたかった。
でもそう思っていたのは俺だけだったようで、カイリュウは、最初から俺とは仲良くできると思っていたらしい。
話してみるとその印象はガラッと変わって、関西人特有の波長が合うし、話は面白いし、優しくて、時々気にしいで、照れ屋なところが可愛くて。
すぐに、友達みたいに仲良くなった。
カイリュウとはほんまに親友みたいなノリで話せて、距離が縮まれば縮まるほど、俺の中でそれは友情から恋心へといつの間にか変わっていた。
……俺は、カイリュウの事が好きだ。
毎回、カイリュウとの時間を増やすために、全ての仕入先を回った後、ここに来ている。
「おはようございまーす」
後ろから聞こえてきた声に振り向くと、知らないイケメンがいて、他の仕入れ先か?と思っていると、カイリュウが声を掛けた。
「あ、ラン、おはよ」
「カイリュウさん、おはようございます…!」
「ん?なんか嬉しそうやな」
「…あっ、いや、…すみません、今日もカイリュウさんおるんやって思って。笑」
「えっ?な、なんやねん…っ、可愛いとこあるやんけ、」
“ラン”と呼ばれるそいつの言葉に、カイリュウが照れたような顔をした。
……誰やねん、こいつ。
“ラン”をじっと見ていると、ナオが察したように俺に説明した。
「あっ、セイちゃん、まだ会ってなかったよな?この子、古家蘭くん。昨日からバイトで新しく入ってきた子やねん、よろしくな?♡」
「…お、おー、…そうなん?」
「ランちゃん、こっちはセイちゃ…、あ、セイトさんね。うちの仕入先の人!イケメンやろ〜?♡」
「あっ、はい…そうすね…っ、…あ、古家蘭です。よろしくお願いします。」
「…ランね。よろしく。頑張れよ。」
「はい、ありがとうございます…」
カイリュウと親しくしとる奴なんて、呼び捨てでええやろ。若そうやし。てか昨日からのくせになんでこんな仲良さそうやねん?あと無駄にイケメンで腹立つわ。
なんて、早速嫉妬をしてしまう。
手を差し出すと、戸惑ったように握手に応えるラン。
無意識に、力を込めてしまっていた。
「ラン、お前昨日ちゃんと休めたか?」
「はい、…カイリュウさんこそ、大丈夫だったんですか?」
「ん?なんが?」
「昨日、…俺のために無理して飲んでませんでした、?」
「は…っ、?そんなことお前が気にする必要ないねん、…さ、仕事仕事…っ、」
昨日何かあったような会話をする2人が気になって、ナオに話しかける。
「…昨日、なんかあったん?」
「うん、昨日終わってからランちゃんの歓迎会したねんけどね?も〜、この2人あっという間に仲良くなっててナオもびっくりしてん!」
「えっ、…ふーん…そうなんや、」
また2人に目をやると、楽しそうに話しながら仕事をし始めている。
「……ナオ、ごめん、ちょっとこれ奥に持ってってくれへん?」
「え?」
「これなら軽いから。重いのは置いてて。後で俺が待ってく」
「あ、うん…、わかった、」
ナオが奥に行くと、2人に近付いていき、ランに話しかけた。
「……ラン。」
「っ、!は、はい。」
「結構ここ入んの?」
「あっ…はい、まぁ、フリーターなんで…」
「普段は何やっとる人?」
「あぁ…、えっと、一応ダンサーというか。」
「へ〜…そんなイケメンでダンサー?自分モテるやろ。」
「えっ?いや、そんなことないですよ…っ、」
「海の家やったら出会いもあるんちゃうん?」
「え…っ、」
「っ、おいセイト、何を聞いとんねん、いきなり失礼やろ、!」
思わずランに根掘り葉掘り聞き、詰め寄るとカイリュウが見兼ねたように俺に注意した。
なんやねん、お前が急に、俺の知らんとこで距離詰めるからやん。
そう思いながらも、まぁ確かに大人げなかったなと思い直す。
「…ごめんな、怖がらせてもうて。ちょっと気になっただけや。」
「あ、いえ…、全然、大丈夫です。」
「なんかお前おかしいで。」
「おかしないわ。…お前が仲良うなってるから、どんな奴かなと思っただけで。」
「……仲、良いんすね、カイリュウさんと。」
「仲ええよ。な?カイリュウ、」
「いや…仲はええけど、そんなムキになることやないやろ…っ、」
「っ…、そうやな。ごめんな、絡んでもうて。…仕事、頑張ってな。」
「…あっ、はい…、」
これ以上話すと自分を抑えられなくなりそうで、ポン、とランの肩を叩くと、荷物を持ってナオのところに向かった。
ーーーーーーーーーーー
(RYUKI視点)
「リュウキ、おはよう!」
「あっ、おはよ。」
「ねぇっ、昨日、どうだった?!」
朝、会うなり目を輝かせてトムが昨日の事を聞いてくる。
トムのおかげで先輩と近付けたし、ちゃんと話さないとな、と昨日の事を話し始める。
「ダンススクール、めっちゃえぐかった。やっぱ先輩がやってるだけあるわ。まじで全員上手くてさ…」
「その話も聞きたいけど、先輩は?先輩の事聞かせてよ」
「っ……うん、話せたよ、」
「あ、照れてる(笑)」
「てっ、照れとらんわ、!…まぁ、いろいろ?先輩が留年しとったこととか…」
「なんで留年したの?」
「それは絶対に言わん」
「え?なんでよ?」
「っ…な、なんででもや!」
俺だけに教えてくれたけん。
絶対、それだけはトムにも、誰にも言いたくない。
「え〜?まぁ、いいけどさ…?…で?なんか進展は?」
「…あ、…また、大学来てくれるって。…お、俺に会いに、?」
「え?……ええっ?!ほ、本当にっ?!/」
「ほ、ほんとやわ!あ、頭、撫でられたし…っ、/」
「っ…/ねぇハヤトも照れるんだけど…っ、」
「トムは関係ないやろ(笑)…あ、そういや、先輩も東京出身やって。」
「え?そうなんだ?……東京出身なのに、こっちでダンススクールやってるんだ、?」
「…あ、そういえばそうやん…なんでやろ、今度聞いてみよっかな。…あ、!!」
ポケットに入れていたスマホが振動して、画面を見ると着信が入っていて、先輩の名前が表示されていた。
昨日、帰り際に聞かれた連絡先。
まさか、いきなり電話してくれるなんて。
「わっ、!なに…っ?ねぇ、もう本当に毎回声大きいのやめてよ、」
「ごめんっ、ちょ、やばいっ、先輩から電話!!」
「えっ?!連絡先交換したの?!先に言ってよ!!」
「ちょっ、とりあえず黙れ!!しーっ、!!」
「っ、もう〜!はいはいっ、笑」
震える手でスマホをタップして、耳に当てた。
「はっ、はい!…も、もしもし、?」
「…あ、もしもし…リュウキくん、?」
「っ…はい…、そうです、、」
昨日聞いたばかりなのに、電話だとまた新鮮に聞こえて、先輩の声が響く耳が熱くなる。
「昨日はありがとうね」
「いやっ、俺の方こそ…、まじで、楽しかったです…っ、」
「ほんと?ふふっ、ならよかった。…ごめんね、朝からいきなり電話して。」
「ぜっ、全然っす!!むしろ嬉しいっていうか…っ、」
「ん、?笑」
「あ、いや、なんでもなくて…っ、/すみません…、」
テンパっている俺を見て、笑いを堪えているトムが目に入り、恥ずかしくて後ろを向いた。
「……昨日、約束したからさ。会いに来ちゃった。」
「え?」
「………あ、見つけた。笑」
遠くで、スマホを耳に当てながら手をひらひらと振っている人が見えて、それが先輩だと分かった途端に心臓が跳ねた。
電話が切れて、近付いてきた先輩はなんだかオシャレでカッコよくて、思わずときめいてしまった。
…いや、こないだも昨日もオシャレやったけど。なんか、今日は、気合い入っとるって感じがする。
それにしても、朝から、しかも昨日の今日で、先輩に会えるなんて。
やばい、今日、講義めっちゃ頑張れるやつや…
「おはよう。」
「お…っ、おはようございます…っ、!!/」
「あ、ハヤトくんもいる。笑 おはよ、?」
「あっ…おはようございます…っ、!」
「本当に仲良いんだね。」
ニコッと俺達に笑いかける先輩。
思わず口元が緩むと、トムもなんだか顔が緩んでいて少し焦る。
……っ、おいっ、お前、俺の先輩に惚れんなや?
「ど、どうしたんすか…?」
「言ったじゃん、リュウキくんに会いに来たんだよ。」
「……っ、//…ま、…まじで言ってんすか…っ、?/」
「うん。…早すぎた、?」
「っ、いや、いつでも、嬉しいっす…っ、/」
「ふふ。よかった、でも今から講義でしょ?」
「あ、はい…、」
「……寂しそうだね?笑」
「っ、/……だっ、だって、せっかく来てくれたけん…っ、」
「……ごめんね、俺も、ちょっとこの後用事あって。…その後、また会いに来てもいいかな。」
「え?…いっ、いいんすか、?!」
「うん。…夕方くらいになるかもしれないけど。また顔出すね。」
「まっ、待ってます…っ、まじで、ありがとうございます、」
「ううん。…俺も、元気出た。…ありがとうね、」
「?、いや、俺の方こそっす…、」
「じゃあ、講義頑張ってね。」
また、手をひらひらと振って、先輩は大学の中に入って行った。
背中を見つめながらも、なんだか最後元気がなかったような気がして、少し気になった。
「っ…ねぇ、ちょっと!リュウキすごいじゃん…っ!!先輩に気に入られてるって!!」
「えっ?あ、うん…、」
「?…リュウキ?どうしたの、嬉しくないの?」
「いや…、なんか、最後…元気なかったけん、」
「そう?……てか、なんか今日の先輩めっちゃかっこよかったね…」
「はっ?!おいっ、好きになんなよっ?!」
「ぶっ、ふふ…っ、急に元気になんじゃん…っ、笑」
「てか、いつもかっけぇし…っ、」
「うん、ふふ。そうだね。…でもなんかオシャレしてたね、」
「うん、ガチで超かっこいい」
「……うーん、…まぁ、ハヤトの早とちりならいいんだけど。」
「あ?なん?」
「っ、なんでもない。……てか、用事って、大学でなんかあるのかな?」
「あぁ、まぁ確かに…」
「大学でまたすれ違えたらいいね?」
「うん、……って、やば!!おいっ、講義始まるやん!!」
「えっ?!あっ、ちょっと待ってよー!!」
先輩の事が気になっていたらあっという間に時間が過ぎていて、急いで講義室に向かった。
コメント
9件
アカウン卜変えました!あかさなです😁 今回も好きな展開すぎる😍三角関係の予感がしますね。嬉しすぎて全身の細胞が踊りだして体脂肪落ちました!あざす😘「はやと」の「はやと」ちり、、、???

なぬなぬなぬセイナオ予感してたのにイィ!! なおちゃん遊び人だから誰が好きなんか気になる🥺
おわあああ好きな人そっちだったのね‼️🥹🥹🥹 こういう展開大好きですぅぅぅ😭 ほんでたっくん想像出来るのやばいかっこいいなぁ😭