テラーノベル
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1話
「じゃあ、またねー!」
昔は、当たり前みたいに聞いてた言葉だった。
配信の最後、ライブの終わり、レッスンの帰り道。
誰かが必ず言ってた、その一言。
その中心にいたのは、君だった。
「またねって言っとけば、絶対また会える気がするじゃん?」
そう笑ってた君が、一番最初にいなくなった。
今もグループは続いてる。
笑って、歌って、画面の前に立ってる。
でも、
「じゃあ、またね!」
その言葉を言うたびに、
誰かが一瞬だけ黙るようになった。
あの頃みたいに、すぐ返事が返ってこない。
「またねってさ……本当は、軽い言葉じゃなかったよな」
誰かがぽつりとこぼす。
画面の向こうには、いつもの景色。
でももう、そこに“君”はいない。
それでも残った僕らは、言うしかない。
「またね」って。
届かないって分かってても、
それしか言えないから。
コメント
7件
ちくわさん、読ませていただきました……。 「またね」って、こんなに重くて、痛くて、それでも手放せない言葉だと思ったこと、なかったです。 君が誰なのか、何があったのかは描かれてないけど、それでいいんだって思えました。 喪失のその後を生きる人たちの、静かな慟哭が聞こえるようでした。切なくて、でも素敵な作品です……。