その日は丸1日全員に引っ張りだこにされた
昨日はこんな映画が見た!とか、こんなの買ったよ!とか、小さい子供が母親に報告するように…ほんと、可愛くて…母性本能が擽られて仕方ない
霖)はいはい笑
話す人、一人一人に頭を撫でたり優しく抱き締めたりして昨日寂しくさせたことを謝った
棘)見てみて!霖!実はね昨日霖が気に入りそうなマグカップ買ったんだよ!
霖)お、本当じゃん!すっごい可愛いね、棘くんがひとりで選んだの?
そう聞くと棘くんは頭を横に振って「みんなで霖が好きそうなマグカップを選んで悟に買ってもらった」
おぅ、前半はすごく嬉しかった…
霖)さ、悟さん…お金払ってもらったんだ…
棘)あの人がしれっと持って行って会計したんだよ
霖)あの人はァ…全く…
棘)霖の事になると考え無しだから笑マグカップ、好きじゃない?
少ししょげた顔で上目遣いで見てくる
霖)ううんすっごい嬉しいよ!それに、すごい可愛くて今使ってるけど凄い暖かいねこれ、嬉しいよ!
棘).*・゚(*º∀º*).゚・*.
棘くんが飛びついて嬉しそうに甘えた
霖)フフッんもう、可愛いなー
この日は悟さん達とたくさんイチャイチャして次の日はまた任務とかの日常になった
次の日
霖)o。.( ´O`)〜〜…ん、沢山寝たなぁ…ご飯作らなきゃ
そばで寝ている悟くんと傑くんが起きないようにそっと起きてご飯を作り始めた
ちょいと時間が経って
ガチャッ…玄関が開いた音がした
霖)??誰だろ…
ひょこっと顔を覗かせるとそこには恵くんが居た
霖)あれ、恵くん……!!どうしたの!?こんな時間に
恵)!!起きてたんですか?
恵くんがやっと私がいることに気づいて近づいきた
霖)起きちゃったんだ、時間的にご飯作ろかなって思ってご飯作ってたんだ
恵くんが私の事を抱き締めて「ただいまです、後おはようございます」と耳元で優しく囁いた
霖)んッ///お、おはよ…あとおかえり
ヨシヨシと頭を撫でたら甘えるようにスリスリと頬を擦り寄せてきた
霖)フフッそうだ!ご飯できたしお腹すいてるならご飯食べよ?
恵)はい!食べます!
優しく手を握ってリビングに向かった
霖)め、恵くーん?もしかして2人っきりだから甘えてるの?
キッチンに居ても後ろからギューッと抱きついて完全に甘えてる
恵)はい、甘えてます…ダメ……でした?
霖)大丈夫だよ〜
お皿に盛り付けている途中恵くんが「霖さん」と声を掛けてきた
霖)ん〜?どーしたの?
恵)…霖さんはどうしてあのクソ親父と一緒に居るんですか……?
霖)甚爾さん…の、事だよね?
頭を撫でながら聞き返すと「はい」と、答えた
霖)あのとき、甚爾さんが恵くんにお金を渡したのは多分、今までの迷惑料だよ
恵)迷惑…料?
霖)そう、ちょっと話が長くなるからご飯食べながら聞いて
料理の乗ったお皿を机に置いて「こっちおいで」と手招きすると恵くんは席に着いた
霖)さて、まずはどこから話そうかな……
この話はね、恵くんが小さい頃の話だよ
恵)俺の小さな頃?
そう、まだ赤ちゃんかもしれない頃の話
恵くんの本当のお母さんが死んじゃった時からお父さん……基甚爾さんがあなた達を突き放した…
それは自分が子供達を育てられる自信がなかったから……そして、妻が死んだショックによってまともな判断が出来なかった
だから…恵くん達を全て五条家に丸投げした……でも、お金ばっか使わせているのが勿体なくて仕事をしてお金を五条家に渡して君たちの養育費としてそのお金を五条家…悟さんが使っていたの
そんな生活を10年近く続けていて君たちが大きくなった時…甚爾さんがたまたま仕事で町中を歩いている時に私とあなた達を見かけたの……そう、奥さんと容姿は似ていないけど優しさとかよく気づく所とか…ちょっと性格は違うけど生き写しのような私を見つけた
見かけたその日に甚爾さんは私を捕まえて物理的にそばに置こうとした
でも……それは叶わなかった…悟さん達が助けに来たからだ
そして…助けられた後…今まで抱えていた辛さを吐き出したら恵くん達に「申し訳ない事したな…」と、思ってあの日にお金を全て渡したの
霖)そして、奥さんと似たような私の優しさに心を許して惚れて……ずっとずっと居たいって話をされたの
恵)そんな話が…
霖)そう、甚爾さんは愛しているから離れたの
霖)離れなかったら虐待をしてしまうと思った…
恵)……愛してるから…か
霖)そう、だからね、恵くん…あんまりあの人を毛嫌いしなくてもいいと思うの
そう伝えると少し戸惑った顔をしている
恵)でも…あの人、女遊びとか…酷いって
恵)あの人はァ〜…あのね、それは悟さんが嘘をついたの
恵)え?
霖)女遊びとかヒモとか色々悟さんが嘘をついたの…まぁ、言えるわけないよね笑「愛しているから突き放した」なんて、寂しい思いをさせておいて愛している…なんて、言い訳に聞こえちゃうから
恵)……あのクソ親父…
霖)フフッあの人の不器用な愛をちゃんと受け取って?恵くん
恵くんの顔を見るとポロポロと泣いている
霖)…寂しかったね
隣に座って泣いている恵くんの頭を撫でる
恵)お、おれ……グスッろくでもない…おやっていわれて……グスッグスッけぎらい…していたんですッグスッ
霖)うん、うん
優しく頭を撫でると恵くんは声を上げて泣き出した
霖)もう大丈夫だからね、もう寂しくならないからね
そっと抱き締め泣き止むまでそばに居た
数分後
恵)グスッ…ングッグスッ…
霖)(沢山泣いて疲れちゃったんだね……おやすみ、恵くん)
そっと起きないようにお姫様抱っこをして寝室に連れていく
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