喜八郎が入学してはや一週間が経っただろう
毎日毎日 、喜八郎に会いに来る人が居た
皆 、喜八郎とお近ずきになろうと必死だった
そんな様子を見て 、
桜木は理性を抑えるのに一死だったが
肝心の喜八郎は興味なさげにスルーしていくので
桜木は兄として鼻高々だったが 。
委員会の勧誘の存在を忘れていた 。
「喜八郎 、その頭の良さを活かして
是非とも会計委員会に入らないか?」
「いやいや 、喜八郎は用具委員会に
決まっているだろう!!」
「我が生物委員会にくれば動物と
ふれあい放題だぞ!!」
「火薬委員会では花火し放題だ!!」
「学級委員長委員会ではお菓子食べ放題だ!」
「まったく 、お前らはしたないぞ。
喜八郎 、焦らずゆっくりでいいんだぞ 」
「おい作法委員ちゃっかり
いい感じにださないでくれ!!
喜八郎は保健委員に入るんだよね〜っ」
ほかの委員長達がガヤガヤしている中
委員長代理である桜木と若王寺は
静かに話を聞いていた 。
なぜなら 、自分の委員会へ来るだろうという
謎の自信があったからだ
そうすると静かに先輩方の話を聞いていた
喜八郎がゆっくりと口を開いた 。
『あんまりおさそいばっかりだと 、
委員会入りたくなくなっちゃう 。』
その言葉に分かりやすく落ち込む先輩方や 、
口足らずなため口に萌える先輩方がいた
するとお兄様が僕の頭を撫でた
「ならば 、やはり体育委員会に
『体育委員会はやです』
その瞬間お兄様はビシッと固まり
ぎぎぎという効果音と共に
ゆっくりとこちらを見た
次の瞬間 、ガシッと僕の肩を掴んだ
『いたいです..』
「なぜ入らない?」
『….七松先輩がいるのが嫌です』
「….今すぐ退部させよう」
『それはいけません』
「どうすれば入ってくれる!?!」
『….僕 、はしるのはにがてなんです
体力もないし 、じゃまになっちゃう 。
おにいしゃまのあしでまといには
なりたくありませんので 。』
その言葉にいったい何人の心が奪われただろう
その中にきっと清右衛門は含まれていたな
『あー、、それなら図書委員会はどうだ?』
ギロリとこちらを睨む清右衛門を見ないように
喜八郎に問いかけてみた
すると意外な返答が帰ってきた
「絵本はだいすきですよぉ
でも…ながいじは少々ながつづきしなくて」
絵本を読んでいることに心底驚いたし
心の底から可愛いと思ってしまった
もう委員長共は倒れ込み残る人間は居なくて
そこにいる全員があるやつらを呼んだ 。
『…おやまぁ 、だぁれ??』
「んなッ…先輩に向かってため口とはっ」
「まぁまぁ留三郎 、まだ一年生だよ」
「…もそ 、」
「先輩方 、少々鍛錬をしてみては…?」
「いけいけどんどー..ん 、?
さ..桜木先輩!!?」
「…これは一体、?」
「せせ先輩方が倒れてる!?!」
「なー八左ヱ門 、兵助。
あそこに可愛い子いる」
「本当だ 、ぜひ豆腐委員会に…ちがう
火薬委員会に入って欲しいな」
「生物委員会に欲しい!!!!」
そうだろうそうだろう!!と
先輩方がそれぞれの委員会の後輩
喜八郎を説得するよう頼んでいた 。
そんな時 、あるヤツの袖を
喜八郎は離さなかった 。
「…..喜八郎???」
僕とこの先輩は以前もお会いしたことがあった
「お前が 、桜木先輩の弟とやらか?」
『…おやまぁ 、あなたはあのきれいな人だ』
「….??
まぁいい 、よくわかっているじゃないか」
『…でなんのよう??』
「なんのようって、、笑
後輩と仲良くなるために会いに来たんだよ」
『….あなたもなの?』
「なにがだ..?」
『僕をりようしておにいしゃまと
なかよくなろうとする』
「??」
『…ちがうの?』
少しの沈黙のあと 、その人は急に笑いだした
「くはは!!そうか 、
お前は苦労していたんだな」
そういい先輩は僕の頭を優しく撫でてくれた
その手はお兄様とは少し違う 、、
ひんやりとして気持ちがよかった
「何か事情があるんだろうが 、皆は
決してお前を利用してる訳じゃないんだ」
『…そうなの?』
「そうだとも 。
皆 、お前が可愛くて仕方がないんだ」
『….そっかぁ』
ふにゃりと笑うと先輩もつられて笑ってくれた
そんな先輩をもっと知りたいと思い
今度は僕から話をした
『せんぱいは 、だれなの?』
するともっとおかしく笑い出して 、
ちょっとムカッときた
『….おなまえ!!』
「ははっ 、すまない。
私の名前は 、立花仙蔵だ」
『….にねんせい??』
「….あのなぁ、背は小さくても…
これでも三年生!!三年い組だ!」
『い組 、おそろいだねえ』
ちょっと怒り気味の声も 、
おそろいという言葉に嬉しかったのか
分かりやすく頬を赤らめて僕の頭を
わしゃわしゃしてきた
その後はあまり会話の続かなかったから
僕から先に帰っちゃったんだっけ
そう思い返していると 、
立花先輩が僕と同じ目線にいた
「どうしたんだ?喜八郎 。」
『たちばなせんぱいはどこの委員会なの?』
「え??あ、あぁ…
作法委員会に入っているけど 。」
『なら僕も作法委員会に入ります』
その瞬間 、はあああ?!?!と驚く声が響き
作法委員会委員長は仙蔵を凄く褒めていて
仙蔵は照れ臭くもそれに応えた 。
そんな仙蔵を 、ひとつの視線が走る
『….さ 、桜木先輩 。
そんなに見られては穴が空いてしまいます 。』
「なぁに仙蔵 、人はそれぐらいじゃ空かないさ」
『そ、そうですか .. 』
喜八郎には分からないだろうが 、、、
そのなんとも優しい笑顔の裏側には
鬼も泣くほどの般若が潜んでいるのだ
さすがの私でも 、怖気付くほどだった
でも 、あんなに可愛い弟をもってしまったのだ
私も同情はする
すると 、喜八郎を連れに来たのか
平と田村が息を切らしながら走ってきた
「このアホはちろう!!!
まーたそんな無礼をはたらいて!」
「この前作法を習ったばっかりだろう!!」
「三木と滝うるさぁい 。」
そんな可愛らしい三人の会話に
皆が癒されていただろう 。
そこで 、ひとつ 。
先輩が作法について手助けをしてやった
『どれ 、喜八郎 。
これからは作法委員会の一員として
私や委員長でみっちり教え込んでやるからな』
「..お勉強はきらい」
『作法は勉強とも言えるが 、
常識として身につけていくものだぞ』
「じょうしき?」
『あぁ 、これからの委員会生活 。
楽しみにしていろよ』
我ながら少しカッコつけすぎたか 。
そう思っていると 、何やらお腹辺りに
圧迫を感じて 、下を見てみると
喜八郎が私に抱きついていた
『き 、喜八郎…??何を 、、』
「ぼく 、立花先輩のこと…すき 。」
『!?』
なんとも可愛らしい告白だ 。
私はなんて幸せ者だ 。
優越感の浸っているのも束の間 、
背後からただならぬ殺気がしているのを感じた
「喜八郎〜???
お友達が待っているだろう 。
もう戻った方がいいんじゃないか?」
「…おにいしゃまにおくってもらいたいです」
「ははっ 、まだまだ赤子のようだな?」
「むむ 、ちがいます 。
….はやくいくよっ 滝 、三木!」
「え?あ、あぁ ..
先輩方っ 、ありがとうございました!」
「ありがとうございました!!
ちょ、待つんだきはちろうー!!」
「さぁて 、文次郎!!鍛錬に行こうか!」
「!!!はい!」
「留三郎 、手合わせをしてやろうか?」
「負けませんよ!!」
「あ 、!!〇〇生物委員長!?
毒蜘蛛マリーがそこに歩いてますよ!?!」
「なに!?はやく捕まえるぞッ」
「兵助 、豆腐が食べたいなぁ」
「本当ですかっ!?
では食堂に行きましょう!!!!」
「おーい三郎〜 学園長にお菓子貰いに行こう」
「はーい」
「よしっ 、生首フィギュアの
手入れでもしてこようかな 」
『…..△△作法委員長???』
「….清右衛門 、あまりいじめるなよ」
「なぁに 、いじめないさ 。
少しお話だよ 。なぁ仙蔵???」
『はい 、そうですね …..』
この後私は地獄を経験した
もう地獄から抜け出せないんじゃ
ないかと思ったが 、運良くそこに
喜八郎が現れて 、桜木先輩を引き取ってくれた
もう桜木先輩に怒られるのは御免だ 。
と思うが 、、喜八郎と関われないとなると
話はまた別になる
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「覚悟しろ小平太…. 」
『おぉぉおおお許しくださいッ!!!』
コメント
7件
やっぱり桜木先輩には誰も敵わないんだな納得納得
最高(≧∇≦)/小平太最後謝ってるの好きだわw