元貴side
あの出来事があってから今日一日、
まだ一回も話せていない。
若井が話しかけてくれるんだけど、
やっぱりあの事を思い出して意識しちゃって…
思うように話せない。
僕も若井と話したい、声が聞きたい、
笑顔が見たいよ…
そんな事を思っていた時、
若井が僕を後ろから抱きしめながら言った。
滉斗『元貴〜』
元貴『んっ!?何…?///』
若井がいきなり僕の脇の下に腕を回すから、
くすぐったくて思わず声が漏れてしまった。
滉斗『…脇弱い?笑』
元貴『んな事ないし…!///』
僕がそう言うと若井は僕の脇をくすぐった。
滉斗『こちょこちょ効く?笑』
元貴『っ…んはははっ…笑笑笑』
こちょこちょが効きやすい体質で、
いつも誰かにこちょこちょされると
笑ってしまう。
元貴『アハハハハハハッ笑笑笑』
滉斗『!? クセ強笑』
元貴『ンハハハッ笑笑笑 ヤメテッ笑笑笑』
僕の笑い声にツボったのか若井が爆笑しながら
僕の脇をくすぐってくる。
元貴『ンフフッ笑笑笑 んっ笑笑 ちょっ笑笑笑』
元貴『アハハハハハハッ笑笑笑 ヒャッ笑笑笑 ハッ笑笑笑』
元貴『あっ笑笑笑 ンフフフフゥフフゥ笑笑笑』
滉斗『笑い過ぎ笑笑』
男子①『笑い方凄すぎない?w』
僕が座っていられなくなり、椅子から落ちる。
僕が若井にくすぐられながら、
うずくまっていると、若井は笑いながら言った。
滉斗『笑い方クセ強くない?笑』
元貴『そんな事なっ笑笑 んぁっ笑 んひっ笑笑』
滉斗『っ…///』
元貴『んっ、笑 ふぅ…笑笑』
若井に思いっきりくすぐられて暑くなった僕は上に来ていたセーターを脱いだ。
女子①『っ!?( ´ཫ`)』
元貴『はぁっ…誰かさんのせいで暑い〜』
滉斗『顔赤いよ…///』
元貴『若井もじゃん』
僕がそう言うと若井は自分が着ていた
ブレザーを脱いで僕の背中にかけた。
元貴『…何、暑いんだけど、』
滉斗『…透けてる』
元貴『いいよ別に…』
滉斗『良くないよ』
僕を女子のように扱う若井が少し気に入らない。
僕だって男だし…
別に透けてたって男だから気にしないし…
僕が不貞腐れたようにそっぽを向いていると、
若井は僕の首を触りながら言った。
滉斗『…何か付けてる?』
これはやばい…
お父さんとお母さんの形見であるネックレスを
付けてる事がバレたら絶対馬鹿にされるし、
何より没収されてしまう。
しかも学級委員の若井にバレたら…
元貴『っ…ちょっと来て、』
滉斗『え?ちょっ…///』
僕は若井の手を握って引っ張り、
教室とは少し離れた廊下の柱の後ろへ連れた。
滉斗『何だよいきなり…///』
元貴『ちょっと待って、』
そう言って僕はワイシャツのボタンを
上から3つぐらい外した。
滉斗『はっ…?お前何してっ…!////』
元貴『ん、』
僕はそっぽを向きながら付けている
ネックレスを見せた。すると若井は、
少し驚いたような顔をして僕のネックレスを
見つめた。もう言い逃れはできない。
僕は若井に全部打ち明ける事にした。
元貴『…僕両親2人とも亡くなっててさ』
滉斗『…え?』
元貴『僕が小さい頃、
2人とも一緒に事故で亡くなったんだよね』
僕がそう言うと若井は悔しそうに
口をへの字にしながら言った。
滉斗『ごめん俺…』
元貴『大丈夫だよ、ごめんね校則破って、』
滉斗『全然、』
若井の顔が少しだけ曇ったような気がした。
もしかしたら真剣に受け止めてくれて
いるのかもしれない、
そう考えただけで胸がいっぱいになる。
元貴『形見でさ…付けちゃ駄目な事は
分かってたんだけど、手放せなくて…』
僕がそう言うと若井は僕をぎゅっと抱きしめた。
元貴『わ…若井…?』
滉斗『ごめん、
俺…勝手に無神経な事言ってたかも、』
元貴『大丈夫大丈夫笑
…気にしないで、笑 慣れっ子だから…笑』
僕はそう言って無理やり笑顔を作った。
作り笑顔は慣れてるんだ、
そうやって中学を乗り越えてきたから、
滉斗『…しんどいんでしょ?』
元貴『…え、?』
滉斗『…そうやって無理に笑顔作るの』
元貴『そ…そんな事…』
予想外の質問に頭が追いつかなくなる。
…なんで分かんの、?
僕若井にまだ何も打ち明けてなかったのに…
なんで…なんで、若井は分かるの、?
コメント
6件
オヨヨ!?!?とても悪い事と分かってるけどもっくんのご両親様が亡くなっていらっしゃる系すこなんだよな〜形見がなんとかが好き=主様は神
え…やばい良すぎます! そのなんというかお話の速度っていうんですかね…それがとってきも 綺麗でわかりやすいです! 尊敬します! 続きも待ってますね! 長文失礼しました、!
若井ぃぃぃぃこっから攻めてけ〜