テラーノベル
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終業式前日。
教室はどこか浮ついた空気に包まれていた。
「夏休み何する?」
「海行こうぜ!」
「課題終わる気しねぇ」
あちこちから楽しそうな声が聞こえる。
照は窓の外を眺めながら、水筒の蓋を閉めた。
「照は部活だろ?」
💛「ほぼ毎日」
「大変だな」
「まあ、照なら楽しそうだけど」
照は笑って肩をすくめた。
────────
昼休み。
コンコン。
💜「どうぞ」
保健室へ入ると、深澤は扇風機の風に書類が飛ばされないよう押さえていた。
💜「こんにちは」
💛「こんにちは」
照はいつもの椅子へ座る。
最近は何も言わなくても、その席に座るようになっていた。
深澤も何も言わない。
それが自然になっていた。
💜「もう夏休みだね」
💛「早いですね」
💜「部活忙しくなる?」
💛「合宿もあります」
💜「そっか」
少し間が空く。
深澤はペンを置き、窓の外を見た。
💜「熱中症で運ばれてこないようにね」
💛「そんな運ばれ方したくないです」
💜「毎年いるんだよ」
💜「『大丈夫です』って言ってた子ほど」
照は苦笑した。
💛「耳が痛いです」
💜「自覚あるならよかった」
二人で笑う。
────────
その時、保健委員がドアを開けた。
「先生、二学期の保健委員会の日程です」
💜「ありがとう」
プリントを受け取り、軽く目を通す。
「じゃあ失礼します!」
また静かになる。
照は何気なく机の上のカレンダーを見る。
七月がもう終わる。
💛「先生」
💜「ん?」
💛「夏休みって、保健室開いてるんですか」
💜「開いてるよ」
💜「部活ある日はいることが多い」
💛「そうなんですね」
深澤は照の方を見る。
💜「怪我したら来るんだよ」
💛「怪我しない予定です」
💜「予定通りいかないのが怪我だから」
💛「確かに」
────────
チャイムが鳴る。
昼休みの終わり。
照は立ち上がり、バッグを肩に掛けた。
💛「じゃあ、また」
💜「うん」
照がドアを開ける。
💜「岩本」
照が振り返る。
💜「大会、応援してる」
その言葉に、照は少し照れくさそうに笑った。
💛「ありがとうございます」
ドアが閉まる。
保健室はまた静かになった。
深澤は机の上のカレンダーを一枚めくる。
八月。
窓の外では、セミが途切れることなく鳴いていた。
#あべさく
もずくぷりん
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愛月☆
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コメント
3件
夏が始まった合図がした〜♪
夏やぁ いわふかにも夏休みがぁ
第12話、読み終えました。終業式前の浮ついた空気と、保健室の静かな空気の対比がとても効いてましたね。照が「保健室、開いてるんですか」と聞くシーン、なんとなく理由を言わないけど、深澤先生に会いたいんだろうな、と感じられてじんわりしました。最後の「大会、応援してる」の一言が、普段の先生らしからぬ優しさで胸にきました。夏休みに入る前の、この何でもないような時間の積み重ねが、二人の関係を少しずつ変えていってるのが伝わってきます。