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2022年06月10日
#極短編
中川洋一
僕の幼少期の話をしよう。まだ僕が4歳の時、祖母と川辺で散歩をしていた。然し、私は途中で祖母と逸れた。その時、目の前に、微笑んでいる初老の男が居る事に気が付いた。当時の私には、その男が恐ろしくて堪らなかった。私は逃げようとしたが、体が動かなかった。気が付くと、私は家の前で立っていた。母は祖母に付いて尋ねたが、私は何も言わなかった。言ってしまえば、あの男に何かをされるように感じたのである。母や父は血眼になって祖母を捜したが、結局その日は見つからなかった。そして、翌日に祖母の水死体が見つかった。
中川短編集
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