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恋人…アメリカさんと一ヶ月前別れた
5年という実に長いようで短いお付き合いを終えた
別に寂しいとか嬉しいとかなんとも思わなかった
ただちょっと広くなってしまった部屋を見ると静かだなぁ…と思う事があったくらい
でも元々遠距離恋愛になるのは分かってた
あの日の電話はまだ録音してある
いつでも現実に戻れるように
寝る前に一度聞く
［なぁ…日本、俺達別れねぇ？いやその…浮気とかじゃなくて…単純にさめたっていうか…遠距離が無理っていうか……ごめん］
それからアメリカさんからは連絡はない
別に自分から連絡しようとも思わない
日本）…寝よ…
暗闇の天井にうっすら浮かんだのは告白された日の事
あの時はとても嬉しかった
でも次第に恋人としての普通が分からなくなった
同仕様もなく毎日息がしづらい
というかしたくない…していたくない…
死ぬのには興味はないし生きるのも面倒くさい
今までは生きる為の理由にアメリカさんを使って押し付けてた
が今となっては何もない
何も…
よし明日海に行こう
そう思ったのは寝る数秒前の事だった
〘次の日〙
…来てしまった
フェリーに乗り海を見下ろす
でも此処に来たのには理由がちゃんとある
アメリカさんからのラブレターを捨てに来た
そっと海にラブレターを流す
何も思わない…いや思えない…
沈んでいく白い紙を見つめながら目を細める
その後すぐに家に帰り
絵を描いた
絵を褒めてくれたのはアメリカさんが初めてだった
美大を卒業してすぐイラストレーターになった
一時は漫画も描いていたものの途中でやめた
もうかれこれ２年は連載が止まってる
描く気にはなれそうにない
もう何も見たくない、何もしたくない
水槽のクラゲは何処か僕を睨んでいた
〘日本編終わり〙
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