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みぃ⌒🍣
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夕食の準備が少しずつ動き出し、リビングに穏やかな時間が戻りかけたその時、ダイニングテーブルの端に置かれたカレンダーが、ふと誰かの目に入った。
「……あ、」
重い体を動かして先ほどやっと起きてきたほとけがなにか思い出したような声を上げる。その、いつもより低い声に、少しだけ焦りが混じった。
「明日ってさ…みんなで、病院行く日じゃなかったっけ。定期受診の…。」
その言葉に、リビングの時間が止まったように音がなくなった。
家から一番近くて、人気の少ない、静かで小さなクリニック。
6人それぞれの主治医と共に薬の調整をしたり、今の心の内を吐き出したりする場所だ。
実は、このシェアハウスもその病院の提案だったり。
一人で行くにはエネルギーが足りないけれど、月に一度の「みんなで病院に行く日」は、主治医が決めてくれた日。
みんなで、支え合いながら向かう、というルールも、主治医が決めてくれた。
ソファの隅でまだ指先をこわばらせていた悠佑が、ほとけの言葉にビクッと肩を揺らす。
「病院…。また、鍵の確認とか…。遅れたらどないしよ…」
強迫の波がぶり返ししそうになり、悠佑の息が浅くなる。
それを察知したのか、キッチンから初兎がそっと声をかけた。
「ゆうくん、大丈夫やよ。皆で一緒にいくんやから。病院の待合室、あの、いつもの端っこの席、一緒に確保しに行こな。」
初兎の落ち着いたトーンに、悠佑は少しだけ震えを鎮め、「…うん。」と小さくうなずいた。
悠佑の隣に座ってたないこも不安そうだが、どこか安心したような表情を浮かべる。
「そっか…明日は買い出しじゃなくて、病院か。」
ないこにとって、外出や病院の待合室はひとつの大きな山場だ。
でも、「みんなで行く」ことが、彼の心を埋めてくれていた。
その様子を、ほとけの斜め前に座っていたりうらは、ノイズキャンセリングヘッドホンをぎゅっと握る。
「…あのさ、病院の待合室、あそこたまに蛍光灯のジーって音が気になるから…俺、明日も絶対これしてく。あと、みんなの保険証とか、まとめておくケース持ってきたほうがいい?」
りうらのその細やかな気遣いに、リビングのあちこちから「ありがとう、助かる」「りうら、ナイス」と声が飛んでくる。
その言葉に、りうらは最年少らしくふへへ、と嬉しそうに頬を緩めた。
こだわりや感覚過敏があるからこそ気づける視点が、いつもみんなの助けになっている。
窓の外を見つめていたいふも、ゆっくりと皆の方に向き直った。
「病院の帰り道さ、調子がよかったら、あの駅前の小さいパン屋に寄ってこ? みんなで好きなパン買ってくるの、結構好きなんだよな~。」
いふの提案に、ほとけの「うつ」の落ち込みがふっと柔らかい笑顔に変わる。
「うん。いいね、それ。 僕、明日はメロンパン買うって決めた。帰ってきたら絶対ご褒美あったほうがいいよね。」
ほとけのその言葉は、リビングの雰囲気を柔らかくした。
「じゃあ、明日の朝は少し早めに起きようか」
「支度は自分のペースでいいからね」
と、お互いを思いやる言葉が自然と交わされていく。
それぞれのペースに合わせて、いつもの病院への道を踏み出していく準備を始める。