O.Tside
「……ぁ、」
不意に目が覚めた。外はすごい明るくて、とっくに朝は過ぎてるんだろう。
俺は元稀にバックハグされてた。その体制は変えずに体を回転させて、元稀を正面からハグしてみる。
「幸せそうに寝てんな、こいつ」
まだ隣で眠っている元稀はほんわかしてて、優しい顔をしてた。
元稀の方が可愛い顔をしてると思うけど、本人には言わない。だって言ったら面倒くさそうだから笑。
てか、今日は一緒に出かけようと思ってたけど何時だろ。
スマホ…
「…は、13時??」
昼の1時?まじで言ってる?
…仮にもアスリートとは思えない生活だな、笑
まあでも、こんな日もたまには悪くないね。
「もときとなら幸せだし」
スマホをポイッと投げて、もう1度元稀に抱きつく。
でも物足りなくて、元稀の胸に顔を埋めた。
「…好きだなぁ、」
あったかい元稀の体温に誘われて、だんだん瞼が落ちてくる。
もうこのまま寝ようかなあ…。
『…ッフフ』
……。
おい今、ふふって聞こえたよな。しかも堪えたような言い方で。
まさかこいつ…
「起きてるだろ、」
『あ、バレちゃった?笑』
くっつけた体を少し離して顔を上げると、幸せそうに微笑んだ元稀と目が合った。
緩んだ口元から優しい声が聞こえてくる。
「笑い声聞こえたよ」
『我慢してたんだけどな〜、漏れちゃってたか』
「いつから起きてた?」
『智が起きてすぐの、ハグしてくれた時くらい?』
「…最初からじゃん」
『ずっと聞いてたよ』
『普段あんなこと言ってくれんけん嬉しかったよ笑』
「それはごめん、」
『ううん。智の気持ちはちゃんとわかってるから大丈夫』
「でも俺、元稀にしてもらってばっかりだ…」
『そんなことない』
『智は俺の癒しだよ、隣にいてくれるだけでも俺は嬉しい』
『今だって、ハグしたまま離れないのも可愛いし』
『言葉が全てじゃないでしょ?』(頭ポンポン
「…ん、」
誰かこの優男をどうにかしてほしい。
元稀の隣にいたら幸せすぎて早死しそう。やばい俺何言ってるんだろ
とにかく恥ずかしすぎて、また元稀の胸に顔を埋めた。
『ふふ、やっぱり可愛い』
『俺も智のこと好きだよ。大好き』
「…俺もだいすき」
今日は、このままダラダラな日を楽しもう。
のんびりした時間も、元稀と一緒にいるだけで幸せだ。
あと、たまには本音を言ってみようと思う。もときが幸せそうに笑ってくれるから。
『可愛い』って言ってくれるしね。
コメント
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もうにやにやが止まらないです🤦♀️この幸せそうなストーリーが心を癒してくれて受験への想いが少し和らぐように感じちゃいます🤭次作も楽しみにしてます!