一歌「はぁ…」
いつもこうだ。学校に行くって意識するとため息。精神はもう慣れたし、体も慣れてもいいのに…。
一歌「…行こう。行かなきゃ…駄目、だから…」
タッタッタッタッタッ…
視点変更
?「…やっぱり、一歌ちゃんはやってないんじゃ…」
前から思っていたことをつぶやく。一歌ちゃんは友達想いな優しい子だもの。やってないって、思うのに…否定する自分がいる…どうしたらいいのかしら
?「あれ、桃井さん?」
急に後ろから声が聞こえる
愛莉「っわ⁉びっくりした…朝比奈さん、おはよう」
驚いて振り向くと、そこには朝比奈さんがいた
まふゆ「おはよう。ごめんね。びっくりさせちゃって」
愛莉「いいのよ」
謝ってもらったことすら、嬉しいと感じる私がいる。なんか…ものすごく変ね
まふゆ「星乃さんを見てたの?」
図星だわ…
愛莉「えぇ、本当はやってないんじゃないかって思ってね…最初っから「一歌ちゃんはやってない」って思ってたのに、少しだけ、「本当はやってたんじゃないか」って思う自分がいるのよ…」
思っていたことを、正直に言う。朝比奈さんは、一歌ちゃんの味方だもの
まふゆ「私は、やってないと思うな。星乃さんは、友達想いな優しい子だから」
愛莉「…そうよね」
同じことを思っていたことに少し驚きながら、相槌を打つ
まふゆ「まぁ…私にできるのは支えることだけ。助ける存在ではないかな」
助ける存在ではない…か
愛莉「………」
私も、そういう風に思ってるのかしら
視点元通り
一歌「……うん。大丈夫。ただ、教室に入るだけ。ただそれだけ」
深呼吸をして覚悟を決める
ガララッ…
一歌「お、おはよう…!」
…やっぱり、返事はない。私の教室には味方はいない。生徒を対象に見ると、だが
くるりと教室を見渡すと、大好きで大嫌いな子――穂波と目が合った
一歌「…っ」
すぐに視線をそらしたはずが、見続けていたようだ
穂波「………っポロポロ」
涙まで流す
一歌「…え、ぁ…」
やっぱり、怖い。身近な人が泣くのは…耐えられない。しかも、私のせいで
穂波「うぅ…ポロポロ」
?「穂波ちゃん⁉」
この声は、鳳さん。一言でいうと、天真爛漫。といったところだろう
一歌「はぁ…」
つぶやくようにため息を吐く
えむ「もしかして、星乃さんのせい⁉」
なぜだろう。「星乃さん」そう言われた瞬間、胸が痛い。苦しい。怖い、という感情なのか。それとも、違う感情なのか。分からないが、逃げ出したい気持ちでいっぱいだった
ちらりと、一瞬だけ、穂波たちの方を向くと泣いている穂波を囲むように鳳さん含め、4人が私を睨んだ
一歌「……………」
なんで、こうなってしまったのだろう。なにを、したいのだろう。3人は。
コメント
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あ…あぁ…続きが気になる…そして相変わらず内容が最高すぎる…