一歌(…サボってもいいかな)
授業中だけど、そんなことを思い浮かんだ。今は、数学。数学は、担任の先生の担当教科だ。担任の先生は、この教室の中で唯一の仲間のような存在だ
一歌「…先生」
覚悟を決め、先生に向かって言う
一歌「少し、休んできてもいいですか」
どうだろう。許してくれるだろうか
先生「分かった。ただ、最後に全員で確認を行いたいと思うんだが…間に合いそうか?」
「間に合いそうか?」その一言で分かった。心配してくれてるんだ
一歌「はい。大丈夫です」
ひとまず許してくれる雰囲気で胸を撫で下ろす
先生「そうか。では、9時40分までに戻ってきてくれ」
一歌「分かりました」
急いで出ていく
?「………」
後ろから鋭い視線を送られているのも無視して。廊下に出て、本当に気持ち悪くなってきた。ただ、お母さんたちに言われるから保健室は論外だ。どこか一人でゆっくり休められる場所はないのか。そう考えていると、屋上を思い出す
一歌「…行こう」
走って屋上まで行く。バンッと大きな音をたて、屋上へ続く扉を開ける
一歌「はぁ…はぁ…はぁ…っ」
息を切らしながら座る
一歌「…咲希達は、何してるんだろう」
グラウンドには、金髪からピンクのグラデーションがかかったツインテールの髪。きっと、体育だろう
一歌「…あれ?私、今…誰に目を向けたんだっけ」
…あ、咲希だ。なんでだろう。最近は物忘れがひどくなったりする
一歌「…あ、桃井先輩達」
校庭には、桃井先輩――MORE MORE JUMPのみんながいた。お仕事から戻ってきたのか
一歌「っやば…!」
桃井先輩と目が合ってしまった。どうしよう…あ、時間!…9時20分か
一歌「来ないことを願うばかりかな…」
ガチャと音を立てて扉が開く
一歌(はい。人生終了のお知らせ来たァァァァァァ!!!!)
一歌「………」
…すぐに出てって。そう願う
?「あら、ここにいたのね。一歌ちゃん」
この声は…
一歌「桃井先輩!」
…良かった。1人だ
愛莉「こんにちは。一歌ちゃん」
私に対しての行動を考えると…味方、なのかな
一歌「こ、こんにちは…」
私の声は、多分震えていた
愛莉「…………」
一歌「………」
気まずい…
一歌「えっと…桃井先輩はどうして…」
とりあえず、話を続けさせる
愛莉「あぁ、そうだったわ!あのね、嫌われている理由を教えてほしくて」
コメント
4件
めっちゃ好きです… 続き待ってます!!
いっちゃん…なんでだろういっちゃんの嫌われ系って初めてみたけど、めっちゃ好みなんだよな…