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ぞっとしたの半分とムカついたの半分で、桶川さんにしがみついたまま思わず舌打ちして言ってしまった。
「ちっ、ゲスが。アンタに言われるほどブスじゃないっての」
言ってから、あ、これは女子としてはだめなやつ、と思ったけれど、それを聞いた桶川さんはお腹を抱えて大爆笑し始めた。
「そんなでかい声で笑わないでくださいよっ」
「お前は、ホント面白いな」
「もう、離してください」
「いや。お前足震えてるじゃん。このまま連れてくよ」
「は?」
「お騒がせしましたねーっと」
桶川さんは傍観している人たちに軽く頭を下げると、私をお姫様抱っこで抱え直して、エレベーターに乗る。
ガラスに映る姿として見ちゃうと、恥ずかしくてたまらない。
「降ろして、降ろしてよー。桶川さん」
「うるせぇ。じっとしてろ。大体さ、なんであいつがこの場所を知ってるんだよ。お前、もしかして昼にアイツに会ったのか?」
凄みの利いた声で言われて、私はたじろぎつつ頷いた。
「馬鹿、なんで言わねぇんだよ。だから様子がおかしかったのか」
「だって。……言えないです。昔ストーカーされていた人に会っただなんて。桶川さんが知っているなんて思わなかったし。もしかして社長が私を拾ってくれたのって、部長から頼まれたからだったんですか」
「そんな理由で人を雇うかよ。部長さんは、被害に遭っている女子社員……つまりお前だな、を守るのに有効な方法はないかって相談してきただけだよ。俺がお前を欲しかっただけで、深山は俺に逆らえないだけ」
「だってあの時会ったばかりじゃないですか。そんな理由で転職を引き受けるほうがおかしいでしょ?」
エレベータがついても、会話は終わらない。桶川さんは不審がる亀田さんをはじめとした社員を睨んで黙らせたかと思うと、私を抱きかかえたまま会議室へと直行した。
ようやく降ろされて、壁に背中をつく。……と、彼は私が逃げ出さないように壁に手をついて見下ろしてくる。
コメント
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第30話読んだよ〜!桶川さんの強引だけど揺るがない安心感、たまらんかった😭💕「お前足震えてるじゃん」って言いながら姫抱っこで連れ出すの、王子様すぎるでしょ…!主人公の「ゲスが」って啖呵も、震えながらも強がる感じがリアルで最高だった。ストーカー相手の過去が絡んで、桶川さんの秘密も気になりすぎる…続き待ってるよ!!✨